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151話:空間に秘めた力

温泉への馬車に揺られながら、レンデはぼんやりと窓の外を眺めていた。ふと、魔獣を狩るにはどんな魔法が便利なのか気になり、頭の中にいるヘルミオに声をかけた。


「ヘルミオ、魔獣を狩るときに使える便利な魔法ってあるか?」


すると、レンデの脳内にいつもの老齢の声が響いた。「ふぅむ、レンデよ…まずは、狩った獲物をどうやって持ち帰るつもりなのだ?」


その質問にレンデはハッと気づかされた。そうだ、狩った後の魔獣をどうやって運ぶか考えていなかった。荷馬車が必要なのか、それとも荷引き台車で足りるのか?そんな大きな荷物を抱えたまま、狩りをするなんて現実的ではない。レンデは急に頭の中がいっぱいになった。荷物持ちのポーターを雇うべきか、どうすればいいのか全然分からない。


「ヘルミオ…どうしたらいい?」と再び問いかけた。


ヘルミオは、年老いた知恵をしっかりと思い出すように、静かに答えた。「おまえはもうRANK7の魔術師じゃろう?このランクから使える便利な魔法があるぞ。それは…空間収納じゃ。これまで使うタイミングがなかったので、話していなかったが、狩猟にはまさにうってつけじゃな。」


レンデは驚きの表情を浮かべた。「空間収納…?」


「そうじゃ、簡単に言えば、持っているバッグと同じように、物を空間にしまうことができる。だがな、ひとつだけ注意がある。空間内でも時間は経過する。つまり、物が劣化したり腐ったりすることがあるから、その点は気をつけるんじゃぞ。」


「なるほど…それは便利だな!けど、まだ一度も使ったことがないんだ。すぐに使えるものなのか?」


「まぁ、最初は少し練習が必要じゃな。意識して収納量を維持するのに、2、3日はかかるだろう。だが、お前ならできるはずじゃ。」


そう言われ、レンデは心の中で決意を固めた。温泉地で数日過ごす間に、この空間収納の魔法を習得することにしよう。


その日の夜、レンデはフォン・クライン家の所有する宿泊施設に到着し、ゆっくりと休息を取った。そして次の日から、空間収納の魔法を練習し始めた。小さなものから始めて、徐々に容量を増やしていく。最初は難しく感じたが、次第にコツをつかんできた。


ある日、ふとレンデは思い出した。「そういえば、リュウ・アケミたちと王都でどこで落ち合うか、ちゃんと話してなかったな…でも、まぁいいか。騎士団に行けば会えるだろう。」


その言葉を自分に言い聞かせながら、レンデは温泉地での最後の夜を過ごし

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