１２８話：調査部隊の報告に
レンデが魔術の実戦訓練を受け、力を磨いているころから遡って帰還した翌日の頃、騎士団の執務室では重要な会議が開かれていた。騎士団長と王は、騎士アレスからの調査報告を受けて、大臣たちや主な者たちを集め、内容について詳細に討議していた。
執務室には、長いテーブルを囲むようにして集まった人々が静かに座っていた。部屋の雰囲気は緊張感に包まれており、皆が次の発言を待ちわびている様子だった。王が最初に口を開いた。
「まずは、無事に調査員たちが帰還したことについて喜ばしい限りだ。彼らが無事に戻ったのは、我々の計画の成功の証といえるだろう。」王は満足げに言った。
騎士団長が頷きながら、さらに続けた。「はい、特に、騎士を二人つけたことが成功の大きな要因であると考えています。彼らの護衛によって、調査員たちは安全に任務を遂行することができました。」
「また、報酬が十分に提供されたことも、良い人員が民衆の中から集まる要因となりました。」一人の大臣が補足した。「これにより、調査隊の質が確保され、成功に繋がったのです。」
その後、会話は調査報告の内容に移った。騎士団長が発表した調査結果に基づいて、具体的な問題点が次々と取り上げられた。
「まず、グリムドッグの出現についてですが、これは予想以上の規模でありました。」騎士団長が説明を続けた。「調査員たちはその数と、出現の原因について詳細に報告していますが、いまだ完全に解明されていない点が多いです。」
「ドゥームウルフの出現も問題です。」別の大臣が言った。「こちらも相当な数であり、周辺地域の安全が脅かされています。現地の情報によれば、その出現には何らかの異常が関連している可能性があります。」
会議の進行が続く中、話題はリーヴァルト王国の状況に移った。
「リーヴァルト王国については、消えた村の問題が深刻ではないのか？」王が発言した。
大臣が答えた「調査の結果、消失した村の村民たちがどこに行ったのか、またその原因についても不明です。これは非常に憂慮すべき事態です。」
「また、リーヴァルト王国の国全体の様子がうかがい知れません。」騎士団長が続けた。「情報が乏しく、状況を把握することが困難です。」
王は真剣な表情で、大臣たちに問いかけた。「他の国からのリーヴァルト王国に関する調査情報については、何か新しい情報があるのか？」
一人の大臣が慎重に答えた。「残念ながら、他国からの情報も乏しく、リーヴァルト王国の現状について確たる情報は得られていません。多くの国が同様に情報収集に苦戦しているようです。」
王は深いため息をつき、全体を見渡した。「よいか、我々がリーヴァルト王国の状況を正確に把握し、適切な対応をとるためには、さらなる調査と情報収集が必要だ。今後も注意深く状況を見守り、必要に応じて対策を講じる必要がある。」
騎士団長もその意見に同意し、「我々の部隊とリソースを駆使して、より詳細な情報を得るよう努力します。」と宣言した。
