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112話:決意の街角

王都ルーメリアの賑やかな商店街。レンデはその活気に包まれながらも、心の中では冷静に状況を見つめていた。彼はその日、調査隊の募集が掲示された看板を目にしてから、その内容をじっくりと考えていた。


商店の片隅で、何気ない会話が耳に入る。

「今回の調査隊、報酬が金貨10枚だって。でも、あのリーヴァルト王国ってほんとに行く価値があるのか?噂では、行った人間は二度と戻らないっていうし…」


「命を賭けてまでやりたくないな。報酬がどれだけ魅力的でも、あそこに行けば死ぬこと確実だろう。」


レンデはこうした会話を聞き流しながらも、自分の考えを整理していた。戦士としての訓練は受けていないが、ヘルミオのサポートのおかげで、一流の魔術師としての力は付いている。この力を上手く使えば数々の危険な状況が発生してもある程度かわせるとおもう。そのため、リーヴァルト王国の調査隊募集に対しても単なる金銭的な報酬だけではなく、他の利点を考慮していた。


「調査隊の募集は命がけだが、その一方で、軍の動きに紛れることができる。リーヴァルト王国の情報を直接得られるのは大きな利点だ。」レンデは心の中でつぶやきながら、自分に言い聞かせた。


商店の奥で、レンデの考えを深める間も、街の人々は噂話を続けていた。「あそこの調査隊に参加するのはよほどの勇者か、あるいは無謀者だな。普通の人間じゃ絶対に行かないだろう。」


レンデは人々の会話を意識しつつも、自分の決意を固めるために商店の外に出た。夕日が迫るころ、彼はしばし考え込み、最終的に決心を固めた。


翌日、レンデは王都の掲示板前で再び立ち止まった。周囲には変わらず見物客や通行人が集まっており、調査隊募集の話題で持ちきりだった。彼は掲示板をじっと見つめた後、深く息を吸い込み、確固たる決意を持ってその場を離れた。


(この調査隊に参加しよう。報酬よりも重要なのは、リーヴァルト王国の情報を得ることと、先の戦いで死んでいった人々の無念に報いることと、リーヴァルト王国の黒い魔術師を探すことだ。」レンデはそう自分に誓い、立て札に書かれている騎士団の募集所へ向かった。

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