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108話:竜のマナ

レンデは深い呼吸を繰り返しながら、心の中で燃える感情を維持しつつ、冷静に体内のマナを調和させる。意識を集中し、感情の激しさを保ちつつ、体の中でマナが暴れないようにその流れを制御する。全身が熱くなりながらも、心の中で冷静さを保とうとする。


「できる…できるんだ!」レンデは自分に言い聞かせ、全力でマナを整える。燃えるような感情を冷静に扱い、内なる炎と理性を組み合わせて、暴れるマナを完全にコントロールしようとする。


時間が経つにつれて、レンデは体内のマナが少しずつ安定していくのを感じた。暴れ続けていたエネルギーが、彼の意志によって徐々に収束し、冷静さが感情と調和し始めた。体が崩壊する危機から解放され、レンデは次第に平静さを取り戻していく。


「これで…落ち着いて…」レンデは安堵の息をつきながら、自分の体内で暴れるマナが整い始めたことを確認した。燃える感情と冷静な制御、両方のバランスを保つことで、彼は竜玉の力を完全に取り込むことに成功した。


ヘルミオの声が再び励ましの言葉をかけてくる。「よくやった、レンデ!感情を燃やし、冷静に制御できたな。」



竜のマナを取り込んだレンデは、体内で新たな感覚を覚えていた。竜のマナと自分のマナが混ざらず、まるで別々の源から力が供給されるような感覚があった。二つの力が同時に流れることで、まったく新しいエネルギーの状態を体験していた。


「ヘルミオ、今の私の力はRANK6の中でどれくらいの位置にありますか?」レンデは尋ねた。


ヘルミオはゆっくりと答えた。「まあ、正直に言うと、大したことはないな。現在の君の力は、RANK6の中で中間程度、6と7のちょうど間くらいだろう。魔塔には今、約50名の魔法使いがいるが、その中で上位10人程度には及ばない。」


レンデはその言葉に少し肩を落とした。自身の力がそこまでの位置にいることを聞き、もう少し先は長いことを実感した。「つまり、あと2倍の力が必要ということか。まだまだ道のりが遠いな。」


ヘルミオは頷きながら言った。「そうだ、だが忘れるな、君の成長の速度は速いし、経験も豊富だ。確実に進歩している。力を増すためには、更なる修練と経験が必要だが、その過程もまた君の成長に繋がる。」


レンデは深呼吸をし、気を引き締めた。心の中で燃える感情を再び奮い立たせることで、次の目標へ向けての決意を新たにした。彼の中には、竜玉の力と自分自身の魔力を融合させることで、新たな力を得たという確信とともに、さらなる成長に向けての希望が湧き上がっていた。


「ありがとうございます、ヘルミオ。これからも精進していきます。」レンデは心からの感謝の気持ちを込めて答えた。

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