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魔王勇者の世界征服   作者: じゃがいも。
第一章[皇国編]
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剣聖〜後編〜

「『七星剣・三式 黄塵万丈』…!」


オクトゥスはそう言って斬撃を放った。

魔力を持たない剣聖は闘気を纏うことができる。それは剣を弾き、魔力を吸い取る鉄壁の結界。しかし逆にそれはあらゆるものを切り裂く刃となる。『七星剣』これに何度斬られたことか。闘気に吸い取った魔力を帯びさせるなどそうできてたまるものか。

そしてこれは三式。属性は地。


(魔力で受けきれるか…否、今の我ではかき消されておしまいだ。躱すしかない!)

「昇れ!地柱アースピラー!!」


魔力を流し込むと地面が隆起し、飛び上がる。

同時に足元を黄色の斬撃がかすめる。ジュッという音とともに爪先が焼ける。


「っ…」

(爪先が焼けてしまったが…なんとかかわせた。こいつの剣…我と戦った初代よりも鋭いぞ)


しかしこのような技、何度も繰り出せるはずがないだろう。だがしかしその時だった。


「一式…!」

「おいおい嘘だろう…」


腰だめに構えた剣…確か一式は縦振りの一撃だったはずである。しかしそれはどう見ても三式と同じ一閃の構えだ。つまりこれはフェイントだ。


炎波フレイムウェイブっ!)


ごうっと炎がオクトゥスを包み込むがそれをすぐさま切り裂く。


「いやはや、なんであの一瞬で気づくんですかね?」

「残念だったな…剣聖?」


すぐ次の手がくるだろう。だが…エイディスにはその一瞬だけで充分だった。がくっとオクトゥスの動きが止まる。目を向けると知らぬ間に体には強固な糸が絡みついていた。


「っ…動けな…?」

(トキシスパイダーの糸か…炎波に紛れて気付かなかった…)

「どっから持ってきたんですか…こんなもの」


トキシスパイダーは毒蜘蛛だ。その毒は大型の魔物すらも軽く殺せてしまうほどの猛毒。そしてその最大の特徴…毒が染み込んでいる糸を使って巣を作るのだ。


「っ…」


闘気を失い、糸に触れてしまったオクトゥスをじわじわと毒が蝕む。


「言ったはずだぞ?殺すつもりで行くと…!」


エイディスの右手に魔力が収束していく。

天に掲げた右手には木剣が握られている。


(今の我は勇者でもある。ならばこれを使えるはずだ…かつて魔界ごと我を切り裂き葬った忌むべき刃…だが今は違う)


黄金に輝くその刃は聖剣。勇者にしか使えない勇者のための剣…。


「切り裂け…!聖剣カリバーぁぁぁあ!!!!!!!」





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