入学式
私の暮らしているところは田舎の方だというお話はしていたでしょうか?
何も無いと言えばないけどあるっちゃある、ド田舎ではありません。
他の方も同じかなんでしょうか。
小学校から中学校はほぼ繰り上がりみたいなものでした。
6:4くらいでほぼ知り合いです。
入学式、私はここから地獄を抜けられるのかが勝負です。
クラスの発表が、ありますから。
見た瞬間腰から砕けそうになりました。
親と共に中にはいり、速攻トイレへ向かって大泣きしました。
そうです、あいつが、同じクラスでした。
このまま逃げだしたかったです。
このままいなくなりたかったです。
だって逃げられない。
あいつの仲のいい子は別クラスでした。
私しかいない中の対応なんて決まってます。
親に目になっがい髪の毛入ってたわ~と誤魔化し
初めての中学校で使用したのはまさかのトイレでしたが
覚悟を決めて教室に入りました。
「千咲ー!同じクラスだよーん!まじ千咲しかいないからよかったわあ!よろしく!」
抱きしめながら言うのはこいつです。
吐くかと思いました、そうだねとしか言わなかったと思います。
ただ助かったのは席の位置でした。
新しい人達が間にいた分、そいつとの距離はかなり遠くなりました、しかも1番後ろ!
ずっと付きまとわれることない…と少し嬉しかったです。机を蹴られることもありません。
新しい友達がほしかった。
ほしいけど怖かった。
もう自分から話しかけることは出来ない。
また無視されたらどうしよう?
あいつも一緒にきて手篭めにされたらどうしよう?
色んなことを考えて、折角可愛いセーラー服を着ているのにクラスで一番顔色が悪かったと思います。
そしてプリントを配られたときに奇跡が起きました。
「あれっ…?」
「…え?あっ」
「千咲ちゃん?覚えてる?幼稚園のときによく家でゲームしてた!」
なんと、前の席に居た子は小さい頃よく遊んでた子でした。
別の小学校になってからは会っていないので6年振りです。
そうか、小さい街なんだから幼稚園同じだった子もいるんだと周りを見回すと何人か知ってる顔もいました。
「覚えてる!久しぶりだね」
「あとでお話しよ~!」
少し安心しました。
知ってる子がいるというのは嬉しいものです。
ただ、友達になれるかはわからない。
期待はしないということだけは強く決意していました。
もちろん、この光景はあいつに見られているのですから。