忘れられない嘘
そんなことの繰り返しをしていました
皮肉なことに、クラス替えをしてもずっとAとは同じクラスです。
2クラスしかないので狭いコミュニティです。
違うクラスに変わっても扱いは変わりませんでした。
なにが無視の原因になるかわからない、私はどんどん学校で喋ることが出来なくなっていました。
毎日学校に行くのが怖い
家に帰るのも怖い
そのときの私はどこでも気遣ってばかりでした
学校ではAを、家ではおとんを怒らせないように。
そんな中体調を崩しました、普通の風邪です。
風邪のときはおとんも優しかった。
ずっとおかんといれることが嬉しかった。
気を使わない家が久しぶりでした。
それが幸せで、私は嘘をつくようになってしまいました。
まだ具合悪い、お腹痛い、熱がある。
四日目くらいでおとんが怪しんで、お前体温計見せてみろと言いました。
見せられるわけがありません、嘘でしたから。
見せた途端おとんは激怒でした。
お前嘘ついてたのか!!と。
何も言えませんでした、ただぼーっと、ごめんなさいしか言えなくて。
でも私の何かに気付いたのか落ち着いた顔で
「学校行きたくないのか?」
そう言われた瞬間涙が止まりませんでした。
行きたくない、行きたくない。
私が泣くの落ち着くまで両親は待ってくれました。
多分、おとんは仕事休んでくれました。
どうして行きたくないのか聞かれたとき
私は素直に言えませんでした
無視されるだけでいじめなのかもわからず
そしてその中に従姉妹がいることで余計に言えませんでした。
絞り出したのは、そのときのクラスではあだ名が流行っていました
私のあだ名は特に言われて傷つくようなものではありません。
噛んだその言葉とあまり喋らなくなったことで出来たあだ名で、今日はあの言葉言わないのー!くらいでちゃかされるだけで、気にしたことはありませんでした。
そのことしか言えることがありませんでした。
あだ名でちゃかされるのが嫌だと言ってしまったのです。
そんなことか、と言ってくれるだけだと思っていたのですが
おとんはなんとかしてやると言って、どこかに電話をしていました。
終わると、今日は休んでいいから明日からは行きなさいと言いました。
よくわからないまま次の日学校に行き
いつも通りに過ごした放課後です。
産休で休んでいた担任の先生がそこにいたのです。
嫌な予感がしました。
「最近、あだ名が流行っているらしいね」
「悪いことじゃない、でもそれで傷付いて学校に来たく無くなる人もいることを忘れないでほしい」
この時点で皆の視線は私でした。
当たり前です、最近休んでいたのは私しかいません。
俯くしかできませんでした。
「あだ名でバカにしたことがある者だけ残りなさい、あとは帰っていい」
勿論Aは帰ってます、すれ違いざまに、きもっと言いながら。
「嫌いだからだとは思ってない、でも傷付いてしまっているのは事実だ。皆謝りなさい」
地獄だった。
1人ずつ私に謝りにくるのです。
私はずっと泣いてた。周りは本当に嫌だったんだと思ったことと思います。
この涙はひたすらごめんなさい、だった。
巻き込んでごめんなさい。ごめんなさいと言わせてごめんなさい。つらいときに茶化されて少し楽しかったくらいなのに。
嘘ついてごめんなさい。
それと同時に担任の先生が大嫌いになりました。
こんなことしてほしくなかった。
ただ私に気にしないで大丈夫と声をかけてくれるだけでよかった。
きっと昨日電話したのは先生だったんだろうね。
こんな公開処刑、してほしくなかった。
親にも言えなかった。
もう大丈夫だよ、としか。
明日からどんな辛いめに合うかも知らずに。
今ではその子たちと笑い話になってます
本当のことは言えませんが、子供でごめんねあのときはー!くらいには