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3話 和泉と有村
「それじゃあお薬出しておきますね。お大事に」
財前は定期的に佐伯医院にかかっていた。仕事のストレスで胃が弱いためである。
「毎日毎日人が死んだり何かしら事件が起きたり、先輩たちはよく耐えられるなぁ。平穏に暮らしたいものですね」
そうして財前は今日も仕事に赴くのだ。
放課後、公園のベンチで有村多恵と和泉華は俯き加減で話をしていた。
「神楽さんがいなくなってからもう1週間経つんだね」
「家出とかじゃなくて本格的に事件に巻き込まれたってことになるのかな…華、私怖いよ」
「心配なのは分かるけど案外元気にしてるかもよ。気にしすぎない方がいいよ、多恵」
「華は私の前からいなくならないでね。華までいなくなっちゃったら私、どうしたらいいか分かんないよ…」
「私はいなくならないよ。友達だからね」
「信じてるよ、華。私華がいないとダメだから…」
「言い過ぎだって〜。多恵ももっとみんなと仲良くしようよ」
和泉はそう言うが、有村は執着と言っていいほどに和泉を求め、和泉に依存してしまっている。和泉の快活さと気楽さで続いている関係だが、それはとても危うい道でもあったのだ。




