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偏執  作者: 樋口士郎
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偏執 11

「今月20日、花添みどりさん15歳の遺体が発見されました。遺体の状況から見て、白蓮女学院の生徒の連続殺人事件と関連があるとして警察は捜査を続けています」

和泉はうんざりするニュースを流すテレビを消して、朝食の片付けをする。自分も狙われるかもしれないというのに、どこか非現実感、悪く言えば他人事のように感じて危機感を持てずにいる。今日は学校を休んで病院に行く予定だ。朝起きた時の気怠さが酷く、38度台の熱が出ていた。動こうと思えば動けるが大事をとって1日休むことにしたのだ。向かう病院はクラスの子の評判がいい佐伯医院だ。学校からも家からも近場にあるので不調が出たらそこを頼ることが多い。待合室でうんざりするほど長くもなく快適というほど短くもない待ち時間を経て診察を受ける。

「インフルエンザの季節でもないし変なもの食べた心当たりもないんだよね?季節外れの風邪ですかねぇ。解熱剤出しておくのでしっかり水分とって休んでくださいね。数日続くようなら諸々の検査もできるのでまた様子見てください」

薬も貰ったし今日はゆっくり休もう。家事だけは逃げてくれないけれど1日2日休んだくらいで成績に影響が出るほど落ちぶれてもいないと自負している。でもみんなに会えないのは辛いな、早く治して元気になってみんなと遊びたいな。

和泉は知る由もない。自分にも魔の手がすぐそこまで迫っていることに。

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