王国サイド『どこにでもある”腐敗”』
「とりあえず、その3憶Gでやらないといけないことを教えろ」
「一番大きな要素は国の運営費ですね」
「そりゃあ、そうだろ。もっと細分化出来ないのか?」
「と言いますと?」
「公共事業にかかるのはいくらとか、役人の給与がいくらとかあるだろ」
(ていうか、本当になんで、政治も経済のことも素人の俺がこんなことしないといけないんだ?)
「ええと、そうですね……流石に細かい内訳までは資料がないとわかりませんが、
兵士や大臣――その他、国で雇っている人間の人件費でおよそ2億G掛かります」
「とりあえず、手始めにこの大臣の給与は末端の役人と同額まで下げろ」
「そんな!」
ロベルト大臣は何故か、正座の状態で聞かされていたが、驚きのあまり立ち上がった。
「許しもなく立ち上がるな!」
「え、ええ……」
「給与に見合うだけの能力があると判断出来れば、上方修正してやる。
……とりあえず、各自の給与の適正具合を見ないとな」
「どうするんです?」
「働きを査察している部署とかはないのか?」
「ないです」
「……じゃあ、組織しろ」
「私の権限ではどうにも……」
「俺の指示だと言えばいいだろう!」
「いえ、私の担当ではないので」
「この……!役所仕事だな!本当っ!!」
「ありがとうございます?」
「褒め言葉じゃねぇよ!」