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魔王サイド『ごまかすしか”能”がない』
「それで、二つ目なんですが……」
「なんじゃ、まだあるのか!」
(三つあるっていったじゃん……そもそも、まだ二つ目だし)
「魔王様、名前覚えてませんよね?」
「ギギギギ、ギクゥッ!」
(いや、だからその反応だよ)
「何をいうとるのじゃ!全員、妾が紹介したじゃろ!」
「はい、全員、間違った名前で」
「……」
魔王はあからさまに視線をそらした。
「魔王様?」
「うむ、今日はこれくらいにしてやろう」
京香は容赦なく、魔王の肩を掴んだ。
「それで、三つ目なんですけどね」
「あーあーあー、聞こえなーい!なんっにも聞こえなーい!!」
魔王は耳をふさぎ、頭をぶんぶんと振った。
「同じく名前、二つ名に関することですけど――」
しかし、京香は構わず続けた。
「魔王様、パクリましたね?」
瞬間、魔王の身体はピタリと硬直した。
「そうなんですね?」
すると魔王はわざとらしく、口笛を吹いた……が吹けてなかった。
「ふゅー、ふゅー、なんのことやら~~」
そうは言いながら、魔王の顔は汗まみれになっていた




