王国サイド『”暴虐”の片鱗』
――翌朝
「おら、来たぞ」
恭弥は王の部屋を蹴破った。
「……んごっ!?」
寝室で眠っていた、国王は恭弥が入って来た音に驚いて起きた。
「なに、人を呼んで、寝てんだよ」
「え、なになに!?」
国王はこんらんしている!
「8時だぞ、いつまで寝てんだ」
「ゆ、勇者!?いったい、どうしたのじゃ……」
「はぁ?お前が呼んだんだぞ、謁見の間までわざわざ行ったのに部屋で寝てやがって!!」
「え?……それ、昨日の話……そもそも夜遅くまで待ったから、眠くて……
というか、ワシ国王なんじゃけど……」
「はぁ?俺は忙しいんだよ。暇なお前の都合なんて知るか!」
「す、すみません……え、これ、ワシが悪いの?」
「お前が悪い(断言)」
「あ、はい」
「で、なんの用なんだ。つまらない用だと、飯の量減らすぞ」
「え、やっぱり、ご飯が明らかに貧相になったのって……」
「な ん の よ う だ ?」
「あ、はい、勇者……様には、ぜひ兵士の指導をしてもらいたいと思いまして」
「ちっ、また仕事増やすのかよ」
「そんなこと言わずにお願いしますよー、この通りですから」
王は土下座した。
「ちっ、報酬考えとけよ!」
恭弥は、入った時と同じ勢いで、出ていった。
「……さすがに、ワシ、なんも悪くないよね?」