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因数分解と揺れる乙女
この日の異変はすでに二回ほど起こっている。
それは芹那さんがイカ焼きとリンゴ飴を買ってきた時のことだ。
そして、共通因数としての彼。
まるで数学ね……。
「ここら辺はねぇ~、粉物が有名なんだよ。」
「へ、へぇ~。」
芹那さんの食欲に驚きながらも、うろつく。
夏祭りにトモダチと一緒にうろつく。
夢みたいだなぁ。
「なんか、昔の人がいっぱい作ったからなんだって。お米はできないみたい。」
「そうなんだ。」
「うん。らしいね。そうだ、土手も近いし、飲み物買おうよ!」
「いいですね。」