踏み出す勇気、あふれる友情
夏休み前に最後の前期試験が行われる。
そう、一学期の期末テストだ。
夏休み前のテストということもあり、みな、試験の後を気にしているようだった。
旅行や、友人と遊びに行く約束……、なんかね。
お盆にお墓参りにいく人たちもいるのだろうか。
私はというと、やはり、中学からの癖か、テストの対策ばかりに気を取られている。
「古文は終わった……。」
何とか今学期も間に合いそうね。
「つっきー、何考えてるの。」
芹那さんだ。
「あー、うん。今度の期末の対策。古文は終わったんだけど……。」
「へー、結構前から対策するタイプなんだ。」
「芹那さんはあまり、対策しないんですか?」
「そうだねー、部活とかあるし、大体2週間くらい前からするんだけど……。」
「だけど……??」
「だいたい眠たくてできないんだよね。」
すこしきまり悪そうに笑っていた。
「つっきーが対策するなら、私もやろうかな。ちょっと、教えてくれない??」
「私でいいなら、いいですよ。」
「あはは、ありがと。」
「って、そうじゃない!!」
「え??」
突然の声に驚く。
「違わないけど……、いや、つっきーは夏休み、どう過ごすかと思って聞きに来たんだよ。」
「そうだったんですか。」
「うんっ、どっか出かけたりするの??」
部活動に取り組んでいるからか、芹那さんの肌はすこし小麦色になっていた。
椅子に座り、瞳が瞼で隠れるくらいの満面の笑みでこちらを向いている。
……ものすごく、話しやすい。
「いえ、特に予定はないんですが……。」
そういえば、夏休みに誰かと遊んだ記憶もあまりないな……。
いつも本を読んでいるタイプだったからか。
中学校に入ってからは、定期試験の対策や課題を片付けているとあまり遠出する気持ちもなくなっていた。
あ、なんか暗くなってるかも。
「じゃあさ、一緒にどっか行かない?」
「え……??」
「ほら、前にクレープ食べに行ったじゃん?!」
「あんな感じでさ、どっか行こうよ。」
意外だった。
学校での課題を優先し、読書というよりも、自分の世界に引きこもる言い訳をしていたのだろうか、私は。
うれしい。
気を使っているわけでもない、自然な本心からの誘いに喜びを感じる。
そうだ、こちらからも歩みだそう。
「うん、テスト勉強も一緒にやらない??」
「うんうん、やろうやろう。」
こうして、私の家で勉強会が行われることとなった。




