表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/34

異世界よりの使者

小さいころ読んだ絵本にはたいてい夢が詰まっていた。

森にすむ精霊使い、空を飛ぶ馬、火を吐く蛇。

一体いつからだろうか、そういった類のモノを信じなくなったのは。


セミが鳴いている。


「おーい、朝の会始めるぞ。」


男性教師の声が響き、姦しい教室も静かになる。


「と、その前に、だ。」


教員の眼鏡が、日光を反射する。


「今日はみんなに紹介する人がいる。転校生だ。」


教室は再び皆の声で埋まる。


「この時期に転校してくるって、何かわけありかな?」

「かっこいいといいけどなぁ。」

「えーっ、可愛い娘がいいかな。」


「はい、静かに。それじゃあ、入ってもらおうか。」


「さ、入って。」


「……始めまして。」


先刻の皆の期待は裏切られることになる。

教室に入ってきた男は、松葉杖をついていた。

それだけではない。

眼帯に、顔の大部分を覆う包帯、四肢にも何らかの処置が施されているのが、明らかに見て取れた。

その一見して異質な存在に、生徒たちは黙ってみることしかできない。

その生徒はそれ以上の説明をしなかった。


セミが鳴いている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ