(157)一声での進軍
僕は、旧ドワーフ村でミミアント達が集まるまで数日待った後にゴブリンの砦へと向かった。
実に凄い数だ。
旧ドワーフ村に入って来たら、多分埋もれる程だ。
辺り一面ブラックホール見たいに真っ黒だ。
カイリが言うには、チカや、その他のコロニーからも増援が来ているらしい。
まー、一番驚いたのは、アビーヒの子供も居ることだ。
僕にとっては、孫か?蟻だけど。
「シャンシャン」
「カチカチ」(アリア様、兵士一同揃いました。これから進軍してもよろしいでしょうか)鈴アント
初めてみる蟻が話しかけてきた。
「誰?誰?むしろ、何処?」
村の外を見回しても黒一色で何処にいるか、分からない。
「シャンシャン」
「カチカチ」(うんしょ、ここですぞ、アリア様)鈴アント
ミミアント達が道を開け、小さいミミアントに乗りながらやって来た至るところにガタがきてそうな体がくの字の人型の蟻
「は、初めまして・・・・」
「シャンシャン」
「カチカチ」(は、)鈴アント
鈴アントは、片膝を付き、四本の腕を抱きしめ頭を下げた。
「え、え」
戸惑う僕。
「カチカチ」(ママ、これで全部揃ったから、そろそろゴブリン退治に行こうよ)カイリ
「う、うん」
「シャンシャン」
「カチカチ」(は、ははー、)鈴アント
「シャンシャンシャンシャンシャンシャン」
鈴アントは、立ち上がりお尻をふる。
そこから、鳴ってたのかーーーー
「カチカチ、カチカチ、カチカチ、カチカチ、カチカチ、カチカチ、カチカチ、カチカチ、」全ミミアント達
「す、すげーーーー」
一人の合図で皆が納得したみたいに動き出す。
因みに姫アント達は、ギリギリの数の兵隊を残し、巣で今も子供を産んでいるらしい。
ドシドシと山を降りて行く蟻達まるで、黒い雪崩だ。
もう一つの山にゴブリンの砦があるらしい。
こんだけの数居たら全部の国が不毛の大地になるんじゃないのか心配だ。
僕らは、最前線じゃないので前の方は、分からないが進軍が遅くなる。
どうやら強敵がでてきたみたいだ。
僕らは後ろでミミアントに乗りながら向かっていたがミイムとチャムは、遊び感覚で最前線に向かって行った。
僕は、危なくなったら逃げるようには、言っておいた。
それと僕達側のゴブリン達は、解らなく成らないように、ミミアント達のお尻からでる水みたいなのをつけられていた。
ちょ、オシッコかけるの!?
僕が言うとカイリが違うと教えてくれた。
オシッコとは、別に蟻達に解る匂いをつけたそうだ。
それにしても、カイリの知識は、何処からきたのやら不思議だ。
それで、僕達は、山を降りてる途中だ。