(102) カチカチ?
ゲェ~まだ口回りが臭う。
しばらくすると、ドド猪達は、ここから離れた。
多分一緒に居ると襲ってしまいそうになるからだろう。
洞穴のにいるのは、僕一人逃げるなら今がチャンスだ。
ただ強く縛り過ぎなんだよ。縄は、取れない。
「カチカチ」
「カチカチ、カチカチ」
石をぶつけた音が聞こえてきた。
「カチカチ、カチカチ、カチカチ」
焚き火でも始めるためにドド猪達が火打石で叩いていると思ったがだんだん音が近くなってきた。
「カチカチ、キー、」
な、なんだ?蟻に五月人形の兜をのせた、蟻がミミアントを連れてやってきた。
ヤバイ、ドド猪達がミミアント殺したから、仕返しに来たのか?
「ぎゃー、僕じゃない僕じゃない」
多分、あれが兜アントだ、兜アントが何やら指揮をとってるみたいだ。
「キー、キー、カチカチ」兜アント
「カチカチ」ミミアント達
僕の上に一匹のミミアントが覆い被さる。
「やー、ごめんなさい、ごめんなさい、た、食べないで~」
僕は、食べられると思って、謝る言葉は、通じない、目を瞑りながら体は、浮いていく。
ゆっくり目を開けると、地面スレスレ、ミミアントに運ばれていた。
「ぎゃー、助けてーーーぎゃー」
怖い、地面ギリギリなのと、運ばれて、食べられるのでは、ないかと言う不安でしょうがない。
「カチカチ」ミミアント達
音しか聞こえない。
「イヤー」
直ぐに奴らは、戻って来た。
「ブッ、あんどどもだ、ど、どうじおブッヒ」ドド猪A
「ブッヒにげどぅぞ、だぐざんいる。おでだぢじゃがでない、アジキにぞうだんずるじがだい。」ドド猪B
「ブヒで、でど、おんだ、どらででるど」ドド猪A
「!!、ブヒほんどだ、だがぶりだ、いっだんひくど、がぶどあんどもいどぅ」ドド猪B
「おいてくなー、糞、猪がー」
「カチカチ」兜アント
アントは、何匹いるかわからない。
不安は、いっぱいだ。
しかし、このアント、木ごと僕を運ぶなんて凄い。
絶対重いだろ。僕は軽いけどね、僕は、ってそんな場合じゃない。
「た、助けてーーー」
あまり揺れを感じなく森からでた。
ぽかぽかして、気持ちがいいけどこの後が怖い。
すると・・・
「ドス、ドス」
「ブヒ俺の女を盗りやがって」オーク
僕は、お前の彼女じゃない。
「カチカチ、キー、カチカチ」兜アント
「ブッヒ、兜アントか厄介なやつがいるな、ブヒだが、ドド」
急に何処から石の塊がアント目掛けて飛んでいく。
このオーク魔法が使えるのだ。
「カチカチ」兜アント
数匹のミミアント達に連れていかれ僕は、オークから離れて行く
「ゴン」
「キー、カチカチ」兜アント
「ブヒ、庇ったか」
オークVS兜アント・ミミアントだ。
見たいのにー、僕は、どんどん連れられて行く
いや、それどころじゃないか。
「助けてーーー」
やがて、洞窟に着く何だか闇に飲まれる感じだ、暗くて何も見えない、あーもうだめだ。
ここで、食べられて今度こそ僕の転生人生は、終わるのか。
しばらく進むと、少し明るい所に着く。
いや、明るい。
僕は、その場にそっと置かれた。
木に縛られたままだが。
「き、綺麗」
辺り一面に光るクリスタルがいくつもあった。
「カチカチ」ミミアント