二日目 正座と反省とギルドと宿へ帰りましょうと
今回いつもより短いです。申し訳ない。睡眠時間も執筆時間も足りてないです。
「あの、リリィちゃん様……もう十分に反省いたしました……ですので……」
「すまなかった、ほんとうに申し訳ないと思っている……だから……」
「「この体勢だけは勘弁を……!!」」
説教が続きはや半刻。外で正座をしたままひたすら話を聞く羽目になっています。
いえ、私達が悪いのは分かってはいるんですけど……。さすがに、体が持ちません。もう、足が悲鳴をあげています。少しでも動かしたら電撃で倒れてしまいます。
「……むーっ、本当に反省しましたか?」
まだ説教が足りないのか、納得できなそうに言う。怒っている姿も天使ではありますが、今の私の足はそれを楽しんでいるほどの余裕はないです……。隣で座っているトールさんも同じ様子で、足がプルプル震えています。
「しました。これほどまで自分のやったことを後悔したことはない、というくらいにはしました……」
「俺もだ、元から怪我させるつもりもするつもりもなかった。本当だから」
どうやら、トールさんは私よりもだいぶ体が硬いらしく、私が辛くなってくるよりもだいぶ前から音をあげていました。私にも負けたりしてますし、トールさんの面目まる潰れですね。
「仕方ないですね……でも! これに懲りたらもうあんなこと絶対やらないでくださいね?」
「「はい!!」」
やっとのことで拘束が解かれました。リリィちゃんはこういう時有無を言わさない凄みがあります……私たちのためだからなんでしょうけども……。
拘束が解けたとはいえ、今の私は生まれたての小鹿です。立つなんてもってのほか、足を崩してその場にしゃがみこむことしかできません。
「おや、やっと終わったのかい。今日は一段と長かったねぇ」
「ルーシーさん、見てたんなら助け船くらいくださいよ……」
客がいなくなったからか、暇になったからなのか、途中からルーシーさんは遠くから眺めていました。 ひどいです……。助けてくれたっていいじゃないですか。
「あんなのはまだましなほうだよ、それに見てた限りではあんたらが話聞かずに喧嘩おっぱじめてたのが原因だろう? ならリリィが正しいから、私からはなにも言えないね」
「うぅ……皆さん正論ばっかり……」
ついでに、タクさんとリュウさんは私が正座してるなかリリィちゃんの後ろをばれないように通って行ってそのまま逃げられました。ひどい、ひどいです! タクさんに関しては惚れてるんなら助けるくらいの器量を見せてくださいよ!! それで傾くかは別の話ですけど。
「ルーシーさーん、ちょっと立つの手伝ってください……。足がしびれちゃって」
「仕方ないねぇ、ほら手貸すから早く起き上がりな」
「すみません、ありがとうございます」
手を借りてなんとか立ち上がる。ううっ。足から電気が全身に巡っていきます。
これじゃあ歩くのも一苦労ですね……。
でも、足のしびれを治す魔法なんてないですし……あったらよかったんですけど。
「もう、だいぶ時間が経ってしまいましたね……」
「俺ももう今日は家に帰るとしよう、思ったより体力を消費したし精神的にも、もう……な……」
「あ、トールさん最後に一ついいですか?」
「ん? なんだまだ喧嘩売ってくるってか? 俺はもう説教はこりごりだぞ?」
「いえ、まぁ単純に質問ですよ。トールさんなんで本気出さなかったんです?」
「…………けっ、お前がそれを言うのかよ。言っただろ、怪我させるつもりもするつもりもなかったってな。それだけだ」
「外見のわりにお優しいんですね」
「お前はその外見では想像もつかんもん持ってんな」
そのまま、トールさんも帰ってしまいました。一歩歩くごとに悲鳴を上げながら。
それにしても純粋な乙女になんてことおっしゃいますか……まぁ否定はしませんけど。
「もう皆さん帰ってしまいましたね? どうしますリリィちゃん?」
「そうですね……もう夕方ですし、日が沈むまでは時間が少しありそうですけど……最後の道に行っていると、多分暗くなっちゃいますね」
「あの、ソラさん!!」
ふと、後ろから声がかかる。さっきも聞いた声です。
「はい?」
後ろに立っていたのは受付のユワさんでした。まだ、いたんですか……あ、仕事あるからですかね?
それにしても相変わらずの大きさで……。
「さっきのを見て確信しました……。ソラさん……絶対っ! 冒険者向いてますよ……! ぜひ、冒険者……やりませんか? 兼業でも、大丈夫です……」
ユワさんの発言を聞いて目線は下の方からユワさんの顔へと向けられる。
今度はしっかりとこちらの顔を見て、強く主張される。
うーん……まぁそうなりますね……村で二番目の人倒したんですから……。
「すみません、私あまり戦闘とかは……」
「さっきの動きをして……戦闘ができないなんて言い逃れは通じませんよ……!? お願いします……冒険者がいないと私の給料も減っていくんです……」
それは、お気の毒ですけど……ほんとうに戦闘とかは苦手ですし……好きじゃないんですよ。
……旅に出る条件で親から自衛の術は色々教えてもらいましたけども……。
「ほんとにダメなんです。そもそも、私の魔法は戦闘向きじゃないんです」
「そこをなんとか…………」
なんで、値引き交渉みたいになってるんですか……? 残念ながら、特に魔物と戦うとかは私好きじゃないんですよね。だってあいつら可愛くないの多いんですもん。
「ユワさん、ソラさんになる意志がないんですから仕方がないですよ」
「すみません、そういうことですので」
「ダメですか……気が変わったら、いつでもお願いします。あ、ところでステータスの確認くらい…………」
「村を出る前にしたので、大丈夫です」
ステータスなんてみせたら余計に面倒くさいじゃないですか……。これでも、昔は天才だー。とか神童だーとかって言われるくらいのステータスでしたから。あとはまぁ乙女には色々あるんです。
「いい笑顔で拒否されるのは……心に刺さりますね……」
「あ、別にそんなつもりはなかったんです」
「まぁ、今回はあきらめましょう……今後もギルドをよろしくお願いしますね……」
「はい、それでは」
******
さて、結局どうしましょう。
「すみません、ソラさん。私は宿のこともあるのでもう、戻らないと……」
「そうですね……それじゃあ私も宿に戻りますか。あ、その杖持っててもらってありがとうございます。重たくなかったです?」
リリィちゃんから杖を受け取りながらに聞く。この杖なんならいきなり魔力吸ってきたりしますし。
(契約交わしてないやつからは基本的には吸えないからな?)
知っていますよ、冗談です。
(相変わらず俺の扱いがひどいことで、俺の力、役に立ててたくせにさー)
それは感謝していますけど、もうちょい伝え方あったじゃないですか。あなた注意しろくらいしかいってないじゃないですか。
(全部いったら、つまんないだろ?)
それはあなたの都合じゃないですか……。
頭の中で言い争いをしながらもリリィちゃんと会話をする。これなかなかに疲れます。
「重たいものは慣れていますから。それにそんな重たくはなかったです。
……ところでこれ、商店街のところで買ったものですよね? こんな杖売ってるところありましたっけ?」
「ああ、それは魔法使いの人用の杖らしくて、魔道具店に普通に置いてありましたよ。」
まぁ、半分嘘ですけど。国宝級の魔道具なんて言っても信じてもらえないでしょうし。あーでもリリィちゃんなら信じそうでもあります。……まぁどちらにしろあまり口外しないほうがいい内容ですからね。
「魔道具のお店ってことはクレアーレですね、確かにあまり用もなかったのでよく見てなかったのかもしれないです」
「そうですね。……さて、アザレアさんも待っているでしょうし、今日は宿に戻りましょうか」
「はい!」
10話も書いてるのにまだ描きたかった第一章のほとんどをかけてないほど展開が遅いやつがいるらしい。はい私です。正直6話くらいで終わると思っていました。普通の小説だと切られるようなグダグダやってるところが書きたかったんです。許してください。




