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転生少女 3




高校生だった俺はもういない。

飴なんかに気をとられてしまう10才くらいの美少女?幼女?が今の俺だった。

女の子の姿なのに、俺。おかしいだろ。

こんなんじゃ、浮いちゃうだろ。

のけ者だ。

ノケモノは居てもケモノは…


「俺」はまずいな。

会話するのに女の子が「俺」はない。

たった今から「僕キャラ」に変更するよ。

しゃべる時だけボクって言えばいいね。

僕ならギリギリおかしくないね。


ぼくっ娘ね。


それで行くしかない。


声もめっちゃカワイイし、どうやら見た目もイケイケのようだ。

鏡ないかな、鏡。




ないな



俺は椅子から立ち上がると、てってれーと怪しい端末の方へと移動した。

遊んでるわけではない。

さっきから、心がこの幼女という器にどうしょうもなく引っ張られつつある。

なんてこった。

素早く颯爽と移動したつもりでもこの体はちびっ子だからね。

てってれーなんだよ。


見た目は小学生だが、頭脳は高校3年生だからw

名探偵になれるよ。

かしこいよ。

かしいこいはず。


ちょっと背伸びしちゃったよ。

端末を覗き込んだ俺が見たものは…いつもの見慣れたデスクトップだった。

(なにこれ…画面、俺のパソコンじゃね)


背景がオリジナル画像。


ネットで集めまくった画像を編集して作った会心の出来というか…

世界にひとつしかない、萌えきゅーん。

晒されちゃ黒歴史か…

前日更新した、そのまんまだ。

何でここに?


おk、そういうことか。

転生テンプレだね。


あるある。

あるよ。

これはね、俺の脳から 何らかのデーターを入力して画面に出力する装置 という記憶を引っ張ってきた。というわけだ。

異世界の言語は自動翻訳、

異世界の文字は自動変換、

さすが神の端末。

俺にわかるように俺のパソコンを模した!

すごいね。

人に応じて変化とかなんかこじつけぽいけどね。



画面に開いてるウィンドウはふたつあって重なっており、上のウインドウで下は見えない。

どれどれ…


「ひぇつ!」

なんと。

上のウインドウには一体どんな手違いか、考えられない迂闊さで!

個人情報が!

大股開きでドデーンと開示されていた。



ーーーーーーーーーーーーーーー

名前  :バサンバ・デニーロ・スコーン

種族  :人間 ♂

年齢  :37

職業  :冒険者

称号  :オカマ

レベル :142

スキル :09▼

パラメータ :▼

ーーーーーーーーーーーーーーー




さっきのオカマのヒトだ。

スコーンさんていうんだ。

ぷぷ。

何でわかるかって? 


写真付きだもの。

鳩が豆鉄砲喰らった顔してるー、ホントにあったんだそう言うカオ。

ぷぷ、そして大股開きでドデーンとひっくり返っている写真だったよ。

もうちょっとマシなの無かったのか。


他人の通知表を見てしまったような、あぁ、勝手に見ちゃいけないよね感がするので、するのだけれど、肝心のスキルと詳細パラメータは開いてない。

▼押すと開くと思うけどね。

そんなにまでしてスコーンさんのステ見たいと思わないよ。


親切で閉じておいてあげよう。


こういうの開きっぱなしはダメだよ。

全く、管理者としてはどうかと思うよ。

神じいは触るな触るなってしつこく言った。つまり、これって…アレだ。


引くなよ、引くなよ。絶対引くな。っていうので有名な~

思い出した!

そうだ、『馬超ブラク』だよ。

引いて欲しいんだよね。


つまり触ってもいいんだ。

むしろさわれ。


解らないだろうって?

ウイン○○ズじゃん。

背伸びでひょこひょこしてしまうけど。

簡単簡単。

ん。

キーボードが見当たらない。右下にテンキーだけ。

そうか、タッチパネルだ。


ウインドウを閉じるのは右上のバッテン押すだけ。

簡単なお仕事です。



ペタッ

「あれっ!」

背伸びでバランスを崩した俺の、可愛い右手が画面にペタりと貼り付き、

偶然にもスキル詳細▼に触れる。

詳細内容が表示展開された次の瞬間、飴で引っ付いた手で 長押し になってしまい選択コピーが発生、スキル全てが反転色になった。

まずい。

なら、左手でやればいいでしょ。

ペタッ

(うわーっ。やあっちゃったぁ~)

選択解除のつもりでカットしちゃった!


表示が


スキル :00▼


になったから、消えちゃったよね。

まずい。

もう一度張り付けるより、保存せずにウインドウ閉じて再度開く方がずっと早い。


とう!


今度はうまく出来た。

バッテン押すだけでウインドウは消えた。

新しくメッセージウインドウが開いたけど。


《設定終了:転送完了》


「は?」

「……」


(ええええぇー。閉じたら終わりなの!?)

やっちゃったよ。

ホントごめんなさいー。


てへペロ。

ごめん、そう思ったのも束の間だった。



なぜなら

メッセージが消えて、下ウインドウが見えるようになったからだ。


飴に喰い付いている女の子の写真。

ワンピース姿。ヨダレでいっぱいのあめ。

右手はべたべた。

どこかでみたような。


(うわっ。かわいい!何処のヒロインだよっ……)


ーーーーーーーーーーーーーーー

名前  :山田 太郎

種族  :人間 ♀

年齢  :10

職業  :なし

称号  :天使

レベル :01

スキル :02▼

パラメータ :▼

ーーーーーーーーーーーーーーー


!

!!

(えぇー…これ自分)

やった。

これは。

勝ち組確定。


口の端をチョッと吊り上げて、にまーと笑う。

ウフフ。

エヘヘ。

ウハハハ。


はっ!



名前!

変えとかないと。

性別変わっちゃったんだから。

女の子なんだよ!

太郎なんて女の子いないよ。


名前をタッチするとキーボードが現れた。


変えておこう。

テキトーでいいか。

よし、メアリーにしよう。

壁に耳あり障子にメアリー。変更!


種族、性別、年齢は操作不能だ。

むー。

10歳ではなぁ。しょうがないな。

職業は冒険者で。

レベルは最初から999にしとけば…ダメか、01から動かない。


スキル2つあるけど何だろう。

▼押してみる。


スキル :02▲

@@@@@@@@@@@@@@

01 異世界コミュニケーション

02 前世記憶

@@@@@@@@@@@@@@


うん。フツーだね。

というかこの2つないと困るね。

前世記憶が無かったら、そりゃ只のフツーの人だよ。


あのオカマ、普通のオカマになったんだね。

よかったね。?

だって‼転生でオカマを選択なんて怪しすぎるよ。

普通、イケメンでしょ。ブサイクが無双してたら腹が立つだけだよ。


スキルが9つもあったし。


あっ、もしかして。

(残ってるんじゃないかな。さっきの。カット&ペースト!)

両手を頑張って伸ばしてー左上と右下にタッチ!

長押し!選択反転色からの~


出てこいコマンド!


こい。

こい。

こい。


こいこい。


「 キタぁ~❗ 」


行け‼

ペースト!ぉ


スキル :09▲

@@@@@@@@@@@@@@

01 異世界コミュニケーション

  :あらゆる世界、種族の言葉、文字の理解、自動翻訳

02 前世記憶

  :転生以前の記憶の継承

03 輪廻転生

  :死亡時、転生者として必ず蘇る

04 亜空間収納

  :容量2t

05 経験値獲得3倍

  :レベルアップに必要な経験値が1/3になる

06 鑑定

  : Lv05/10

07 剣術

  : Lv05/10

08 マジックマスター

  : Lv03/10  全属性の魔法が使える

09 AR

  :現実を拡張パラメータでアシストする

@@@@@@@@@@@@@


すごいね。これもうかなりチートじゃない。

これでいこう。

全然問題ないよ。

これで。


後はパラメータを全部99にしちゃえー。

えーっと…

それでとりあえずスキルを▼に戻そうとして、、



はいーやってしまいましたよ。


閉じちゃったぁ!


ウインドウが消えると同時に、、

意識が何処か彼方へ吹っ飛ぶのを感じた。








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