転生少女 2
はい、再開(/o\)
ー
にぎにぎ
ぐー
ぱー
ぐー
ぱー
なにこれ?。
めっちゃ、可愛いんですけど。この手。
少女というか、幼女だな。
俺の脳裏にはセワシゲニぐーぱーする、ツインテールの歌姫が浮かんだがまあ、ままま、あぴか?それはいいとしよう。
神が、何処からともなく突然現れたからだ。
よぼよぼジジイだ。
もっとこう、オーラとかないかな。
ないな。
絵に書いたような、誰もが仙人を思い起こす質素なフード姿、木の杖。
孫悟空が使っていたという、あの雲に乗っている。
雲でかい。
個人用じゃないね、ヒトクラスまとめて運べそうな大きな雲だ。
その上に一辺が25メートルの正方形の巨大な床板。
磨き抜かれた材質不明の石材ぽい床だ。
据え付けられたコンビニで現金を引き出すのにソックリな機械と、面接三点セット。
椅子、机、向かい合う椅子。
転生面接所で決まりだ。
神と目線が合った。
神が何かを語りかけようとし、俺もそちらへと向き直った瞬間。
「日日(ノД`)ノいやぁッは~ン、ンン、もうもう。おっそ~いんじゃあないのぉーーー」
オカマが凄い勢いで割り込んできた。
それも躍りながら。
(めっさーウゼェんですけど)
なんと、神も同意見らしい。
チッという舌打ちの音が聴こえたからだ。
神はシュバと俺のとこまで来るとあめ玉をくれた。
柄のついた渦巻き模様のTHE・飴だった。
「これあげる。此処でもう少しだけ待っていてほしいのじゃ。大変珍しい事じゃが、同時にいくつかの転生が重なっておっての、ワシが大変なことになっておるのじゃ。このワシがな!」
「このワシがな!」
「…」
神が片手をすうっと振ると、俺の体はふわーと翔んで、転生面接所と名付けた椅子のうえにちょこんと乗っけられた。
「ど、どうも…」
俺はペコリと、おじぎをした。
「あめでも食べて、座って待っておるのじゃ。
此処は《転生直前神のまチュートリアル付きヘルプセンター》じゃ。
あ、それからそこにある端末は転生設定機じゃ。よく分からんだろうから勝手に触ってはならんぞよ。」
「えっと…」
「見ても良いが触ってはならんぞ。」
そして神は、シュババと移動して…
オカマの耳をちぎれんばかりにガッと掴むと。
「此方が先じゃからの」
そう言ってプチキント雲に乗るや、シューと遠ざかっていった。
「イッツぁ~い」オカマの叫びも遠ざかっていく。
「触ってはならんぞー」神もしつこい。
ほどなく、見えなくなった。
いいや、飴食べよう。せっかくもらったんだし。
パクっと食い付く。
おいしい。
あまい。
うふふ。
ちょっと幸せかも。
ー
ー
ー
「はうっ!」
(飴なんか喰ってる場合じゃねぇーーーツ)
あめの棒だけが投げ棄てられた。
俺は、完食しおえてヨダレで溶けたあめがひっついてぺたぺたする右手!をにぎにぎしながら、考えた。
ーー考えろ。
この現状、
今置かれた場所、
与えられた時間、
能力。
そういうことか。
(もう、2周目は、始まっているんだ!)