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魔王は友を思いみる  作者: こまど
15/16

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「それで、何か言いたいこととかあるんじゃないの?」


星空に照らされた平野に五人の人影が並んでいた

その中少年はつまらなさそうに口をついた、四人の魔人は何も言わない、それが面白くないのか次第に機嫌が悪くなっていく


「もう、なんで皆喋んないのさ!つまんないじゃないか!」


怒ったように腕をぶんぶん振り回す、だがそれでも魔人達は口を開かない

なぜそんなにも頑なに口を開かないのか、流石におかしいと少年は考えはじめた、そして少したって一つ心当たりがあることを思い出した


「まさか、僕が前にあまりにもうるさいから、もう喋らないでって言ったやつ、まだ守ってるの?」


魔人達は同時に頷いた、少年は呆れたように、はぁとため息を漏らした


「あれは、あの時あまりにも皆がうるさいから言っただけで、ずっと黙ってろってことじゃないんだから。もう喋っていいから」


四人の魔人はそれぞれの顔を見合わせると口を開いた


「いやあ、いままで喋りたくってうずうずしてたんだよな。期限が決められてなかったからずっとだと思っちまってよ」

「そうだ、次からは気をつけてくれ」

「え、なに僕が悪いの?」


黒髪の男の魔人と赤髪の女の魔人は開口一番に少年への愚痴をこぼした


「俺はその時喋ってなかったけどな」

「そうですね、うるさかったのはそっちの二人ですし。私達は普段から無駄口を言いませんしね」


茶髪の男の魔人と黒髪の女の魔人は呆れたように肩を落とした


「まあいいやんなことは、それよりもなんで何もせずに帰ってきたのさ。僕はそれが聞きたいんだ、いや待って。うーん……ギネだけ喋っていいよ」

「ええ、なんでギネだけなんだよ!別に俺でもいいじゃねえかよ」

「そーだそーだ、私にも喋らせろー」

「うるさいよ、まったく。君らが説明するとややこしくなるんだよ、前に一度させた時後悔したんだから」


黒髪の魔人と赤髪の魔人はつまらなそうに頬を膨らませた

ギネと呼ばれた茶髪の魔人は少し言うことを整理してから話を始めた


「俺達が調べた時は盗賊しかいなかったんだ、だがいざって時になって邪魔が入ったんだ、だから仕方なく何もせずに帰ってきたんだ」

「なにさその邪魔って」

「わからない、だが話を聞いた限りだと、ダイアスっていう傭兵会社みたいだ」

「傭兵会社?それで、なんで君達は帰ってきたのさ」


少年はなおも怒ったように言った


「だから言ったろ、勝手に手を出してお前が怒ったらまただるいから、仕方なく帰ってきたんだって。ああもうめんどくさいな」

「あ、その口癖やめてって言ったよね、こっちまでめんどくさくなっちゃうんだから」


どうやらめんどくさいはギネの口癖のようだ、少年は話よりもそっちに気がいってしまう、だがギネはそれすらもめんどくさいのか、少年の言葉を無視して話を始めた


「それでどうするんだ」

「どうするって何が?」

「次はどうするかって聞いてんだよ!ああもうめんどくさいなあ、何、あいつらを殺していいなら殺しちゃうけど、ええ?なんだよ、こっちだってな、一思いにっちまいたいたかったんだぞ!、それを何もせずにっ……ああ……もうだるいしめんどくさい、めんどくさいし……」


顔を下にふせ肩を振るわせ始めるギネ


「やばいやばい、これはめんどくさいことになっちゃう、わかったから好きにしていいから。だからそれをしまってよ」


見るとギネの頭部に鋭く尖った角が二本生えてきていた、少年はそれをしまうように促す

さいわいにも少ししてその角は消え、ギネは正気を取戻した、ふうとため息を吐きながら少年は次は違う奴に説明を頼もうと誓った


「それじゃあ次は好きにしていいんだな、どんな邪魔が入っても」

「いいから、ほらいったいった」


立ち去っていく魔人達を見送りながら少年はただ思った、めんどくさいと

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