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そんなこんなで全くよく知らない場所に飛ばされて来たわけだけど、これからどうしようか。


取り敢えず、状況がわからない。なんか、お腹も極限的に空いてるし、何とかしないと、死んでしまいそう。

"おれの体"の記憶もなんとか生きていくしかないと言っている。


あーあ、なんでこんな事になったんだよ。

神さんよ、どうにかしてくれ…………。





ーーーーピッ



なんかしらないが、神頼みしたら半透明のフレーム画面がしょっぱい効果音と共にでてきた。なんじゃこりゃぃ!!………とは、思ったものの面白そうなので、いろいろ試してみた。


………どうやら念じることでこの画面は自在に表示させられるらしい。やべー、サイボーグみたい。っつか、俺もしかして悪の組織にとらえられて改造を施されたんじゃね?とか、勘違いしつついろいろいじってると、「ワールドデータ」なる画面がでてきた。


このワールドデータには、この世界の法則から、地図、アイテム図鑑、モンスター図鑑、用語集まで、ありとあらゆる情報がそろっていた。



情報量が膨大すぎて持て余し気味だったが、なんとなくちょっと読んでわかったこと。

ここは異世界で、物理法則も元の世界と違うということ。

あとは、ゲームみたいにステータスがあるらしい。




名前:ササキ トウジ

歳:16


#能力値

腕力…………1

物理耐性……1

魔力…………1

特殊耐性……1

俊敏…………1

器用…………1

知覚…………1000

運……………1


#ゲージ

HP最大値……10

SP最大値……10


#熟練度

武具

なし

体術

なし

魔術

なし


#所持金

0G



#装備

ボロい服





ちょっと待て…………………………。






知覚1000!やばくね?


まじか、俺すげぇ、ぱねぇ。めっちゃ知覚するし!!!

他にもいろいろつっこみたいとこあるけど、とりあえず今は放置で…。

















よし、なんとなくテンション上がったところで、取り敢えず当面の目標を考えよう。




まず…………………腹減った。早くなんとかしないと。


"からだ"の記憶によると、俺はいままで物乞いやら、ゴミを集めて売ったりやらして過ごしてきたらしい。なんとも斬新な生き方をしていらっしゃったんですねー、"俺"。



とは言っても、俺がそんな斬新なライフスタイルに適応するアグレッシブさは持ち合わせておらず、何かもっと安定して生活したい。


てことで、目標がなんとなく決まった。いぇぃ。





最優先目標、まっとうな飯を食う!

第二優先目標、安定した金稼ぎ手段の確立!


うん。方針が決まればあとは行動あるのみ。切り替えはやいね、俺。さすが知覚1000!……それは関係ないか。



飯を食うにはどうしよう。人助けして、お礼にご飯もらうってのもいいけど、そんなに都合よく困ってる人いないし…。


やっぱ、お金稼げたらそれに越したことないね!



お金の稼ぎかただけど、どうしようか、とりあえずマニュアル、、、と。






………ワールドデータによると、ギルドがあって、そこに登録すると依頼を請け負うことができるらしい。


あと、普通に考えて、雇ってもらったり、商売したりしても稼げる、、、はず。



まあ、とりあえずギルド行こう。なんか、もろゲームみたいでテンションあがってきたし。








地図を横目に見つつギルドをさがす。公園の北西に国営のギルドってのがあるらしい。



道中、道ゆく人々を見ていると、鎧を着た者、なにやら物騒な剣を腰にさした者、はてはネコ耳娘など、元の世界では考えられないビジュアルの人々が普通に生活しており、改めて異世界ということを認識させられた。



いいね。異世界って……。ネコ耳って、おま、、、。

はじめは、全く意味不明だったけど、これはこれでおもしろそうだし、なんとかやっていけそう。

母さん父さん、ごめん。俺は、こっちで元気に生きていくよ。

なんて、しんみり思いをはせながら、ギルドへ向かった。



今気付いたけど、ワールドデータさえあれば、人にものを聞けずに過ごせてしまう。こんなんだと、一生こっちで知り合いができないではないか、、、、。



よし、第三優先目標、知り合いを作る。

がんばるぞぃ。俺。




して、ようやくギルドにたどり着いた。よーし、依頼をがんがん受けちゃうぞぉ。




とりあえず、受付へ行って、登録っと。



なんか綺麗なお姉さんが対応してくれた。



「この書類に必要事項を書いて持ってきてください。」

「………。」


うなずく俺。思えば、こっちに来てはじめての会話である。日本語でよかった。

そして、何も返せない俺。うん、しょうがない、前の世界でも男社会で育ってきて、シャイボーイな俺には受付のもろ業務的なお姉さんに気の効いた事など言えるはずもない。




近くの台で書類に記入していると………周りの冒険者らしい人たちからめっちゃ嫌な目で見られてる気が、、、。

あぁ、見た目とか臭いとか、いろいろやばいからしかたないか。


書類に記入し終わり(といっても、名前くらいしかかける項目はなかったが・・・。)受付のお姉さんに渡すと、


「ササキトウジさんですね。かしこまりました。では、登録証を発行いたしますので、こちらのパンフレットを読んでお待ちください。」

「…………はい。」




がんばれよ、俺。もうちょい言えただろ。よろしくお願いししますとか、お名前なんですかとか、今度お食事でもいかがですかとか。


はぁ、このペースだと、知り合い作るのはそうとう時間かかりそうだな。



てきとーに、パンフレットを読んでいると、ギルドの仕組みがわかってきた。

この国営のギルドでは、フリーの傭兵や冒険者などが、依頼を受けられる。登録料が無料なのは、とても良心的だった。

ランクはAからGまであって、ランクに見合った依頼が受けられるらしい。


依頼者は誰でもなることができ、報酬、違約金、人数、ランクなど、自由に指定できる。



「では、今後とも、よろしくお願いします。」

「………こちらこそ。」



受付のお姉さんから、名前とIDナンバーとランクが無骨にほられたドッグタグみたいな登録証を受け取り、とりあえず依頼が貼ってある掲示板を見に行った。



当然俺はGランクの依頼しか受けられず、適当な依頼を手にとり、また、受付のお姉さんに渡す。




「承りました。期限は2週間です。」

「………がんばります。」






#依頼条件

人数:Gランク1人

期限:1週間

成功報酬:500G

違約金:50G

#内容

アイテム収集:ユリの花50本

入手方法は指定しないが、東の湿原に生息。

保存状態が悪い場合は報酬減額。

納品はギルドまで。






てことで、早速東の湿原に向けて出発。図鑑やらマップやらを見ると、普通にモンスターが出るらしい。


本来なら装備や道具を揃えて行くべきだが、いかんせん金がない。やむなくすっぴん状態で出発するしかない。


死なないようにしないと。









東門を越えて、街の外へ出た。そこには草原が広がっていて、モンスターもちらほら見えた。図鑑を使って、付近に見えるモンスターを調べてみる。




#イモムシ緑

HP:10

攻撃力:5

物理防御力:2




#コトリ青

HP:8

攻撃力:3

物理防御力:1





詰んだ。もうね、死亡フラグばりばりやん。

攻撃力=腕力+武器攻撃力+熟練度+補正値だから計算すると、今の俺の攻撃力は1で、、、、、。






よし、モンスターは無視しよう。幸いなことに、性格はどちらも大人しいらしく、あちらから襲ってくるようなことはないみたいだった。


しかし、無視するにしても、これから行こうとしている湿原には、もっと強いモンスターが現れるみたいだし、、。大人しいとも限らない。


ゲームなら、死んでもひょっとしたら生き返れるかもしれないが、現状どうなるかわからないので、安全策をとったほうがいいだろう。



泣く泣く引き返すことに。違約金どうしようか、、、。









街へ戻ってきて、対策を考える。イモムシ緑なんて、一番弱いモンスターの部類だろう。それが倒せないとなると絶望的かも………。



まず、情報が足りない。いや、情報は膨大にあるんだった。

ワールドデータ、こいつをどうやら読みこむ必要があるようだ。



なにか、方法があるはずだ。今日中、遅くても明日中に解決策を見つけないと、斬新なライフスタイルに後戻りである。






しばらく集中して読んでいると、いくつか解決策がみえてきた。



能力は、なにもモンスターを倒さなくとも、素振りや模擬戦闘でも上がるらしい。また、知覚の値が大きい(限界値)ため知覚系の体術が覚えられるらしい。


今日は、能力値上昇に集中しよう。




地図を見ると、国営の訓練場が街の南東にあるらしい。

急いで向かうと、そこには丸太で作られたかかしや、飛び道具用のまとなどが置いてあった。



ルールさえ守れば無料で利用できるらしい。これを使わない手はない。



さっそく、素手でかかしを殴りることにしよう。今日中は鍛錬だけに集中しよう。


明日、美味しいものを食ってやる。



1時間ほど殴り続け、ある程度慣れたとおもったので、どうせなら魔法の練習も同時にやろうと思いはじめた。



打撃のインパクトの瞬間に、対象を破裂させるイメージをしてみた。念属性の魔法を行使するのが狙いである。

すると、なんとなく威力がました気がする。




SPをみてみると、確かに減っている。そのままSPが無くなるまで続け、なくなったら、打撃のみにもどし、回復を待つ、、というループを続けることにした。



その後4時間ほど続け、日がくれる頃、疲労がピークに達したので、そろそろ引き上げることにした。お腹が空いてやばいことになっていたが、訓練場の水飲み場で、お腹いっぱい水を飲んでごまかすことにする。




今日は、よく頑張った。最後にステータスを見て終わりにしよう。





#能力値

腕力…………3

物理耐性……1

魔力…………2

特殊耐性……1

俊敏…………2

器用…………2

知覚…………1000

運……………1


#ゲージ

HP最大値……10

SP最大値……14


#熟練度

武具

-無手…………28

体術

-なし

魔術

-念……………23





めちゃくちゃ上がってた。特に、熟練度の上がりがすごい。

既に攻撃力は30を超えているため、イモムシ緑やコトリ青は、一発でたおせてしまうだろう。



明日は、早朝から敵を狩って、早めに食料をどうにかしよう。

そう決めたら、起きている必要はない。さっさと寝てしまおう。




明日には、ちゃんと食料にありつけるかな?

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