表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第三話

おはようございます。第三話のお届けです。焼肉屋チェジュに行くチロと由麻。アジュンマが美味しい料理を提供してくれます。お楽しみに。


 「焼肉焼いたら最高!」

       (第三話)


        堀川士朗



焼肉屋『チェジュ』は桃谷商店街の中ほどにあって平屋建てだった。

テーブル席が四つほどのごくごく狭い店だ。

おばさんが一人で切り盛りしている。

恰幅が良い。


「アジュンマ。いつものマッコリを二つちょうだい。あとキムチとナムルもやで」


と由麻が言った。

チェジュは由麻行きつけの店らしく、おばさんとも親しげだった。


「はいは~い。少々~」


おばさんが答える。

その後に韓国語でアジュンマと呼ばれた恰幅の良い年配のおばさんと世間話をする由麻。

僕は韓国語は全く分からないが、どうやら世間話がてらオーダーもしているようだった。

アジュンマは韓国マダムといった感じの良い匂いの香水をつけていた。

僕は生ビールが飲みたいな。


「アジュンマさん、僕は生ビールで」

「はいは~い。少々~」


まず生ビールとマッコリが来た。

しばらくして料理がやって来た。

キムチはコクがあって美味しい。

ナムルも東京で食べるものよりはるかに美味い!

お目当てのカルビも。

両面、レア目に焼いて食う。

タレは甘辛いコチュジャンベースのタレだった。

生ビールによく合う。

ライスも来た。


「チョンマルマシッソヨ!」


と由麻が言った。

『とても美味しい』という意味らしい。

チョンマルマシッソヨか。

韓国は、となりの国なのに何でこんな変てこなかわいい言葉なんだろうなと、その時僕は思った。

海一つ隔てて異なる言語体系。

まるでバベルの悲しき概念だなと思ったけど、センマイ刺しはコリコリしていて美味しかった。

カルビ。

キムチ。

ナムル。

白米。

交互に食う。

間にマッコリぐびぐび。

マッコリも濃くて美味しい!

韓国料理の、料理としての完成度のパンチ力は半端ではない……!

ヤバい。

酔ってきた。

キムチを頬張る由麻の咀嚼音が心地良く響いていた。

店では韓国語のドラマがテレビで流れていた。

(まだ韓流が流行るずっと前の話だ)

なんとかジュセヨ、なんとかジュセヨとかなんとかスムニダとか韓国の整形した俳優たちが言ってる。そこだけ聞き取れた。

手の空いたアジュンマは椅子に座りドラマを眺めていた。

お客さんは僕たちしかいなかった。

静かな時間が流れる。

由麻は酒が強いのでマッコリとチャミスルをグイグイいっている。

サンチュにカルビを巻いてさらにキムチを挟んで食べる。

ぐ、グオッ!

美味い。

焼肉焼いたら最高!

テグタンラーメンで〆た。


帰りにアジュンマから口臭消しに韓国製のグリンガムをもらって、そのガムを噛みながら由麻と恋人繋ぎで手を繋いで帰った。


その後二人で隣り街のラブホテルに行ってあーだこーだあれやこれや楽しんでから、由麻とたかちゃんの家に帰った。

たかちゃんは二階で一生懸命ミシンを踏んでいた。



           つづく



ご覧頂きありがとうございました。次回はいよいよ最終話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ