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第二話

おはようございます。第二話のお届けです。カラオケに行くチロと由麻。しかし同行した大阪現地人二人がとにかく不愉快で…。お楽しみに!


 「焼肉焼いたら最高!」

       (第二話)


        堀川士朗



次の日。

昼からやっている銭湯に僕と由麻とたかちゃん三人で行った。

男湯。

たかちゃんは背中にトライバル柄の入れ墨を入れていてカッコ良かった。

お風呂から出て、脱衣場で由麻を待っている時に、


「チロくんは将来どういう俳優さんになりたいのん?」


と、たかちゃんに言われて即答出来なかった。

将来の役者像とか、ビジョンとか展望とかいったものはなく、僕はただのんべんだらりと渡された品川由紀夫さんの舞台の仕事をこなしているだけだった。

翻ってたかちゃんはどうだ?明確なビジョンを持って仕事に取り組んでいるのだろう。だからこそ新天地を求めてニューヨークにまで武者修行しに行くのだ。由麻を置いてまで。

のんべんだらりと仕事をこなすだけの僕。

それで良いのかな、僕は。

今はまだハタチそこそこで若いから良いのかもしれないけど、歳取った時にそれではいけないよなとか、何か色々考えた。

こんな問題提起をしてくれて、たかちゃんありがとうと思った。

瓶のコーヒー牛乳を二人で飲みながら由麻を待った。



夕方。たかちゃんは仕事で家に帰った。

由麻の友人の大阪の現地人男性二人と合流してカラオケに行った。

僕は桃谷商店街で買ったマスクをしていた。

それを見て現地人二人が、


「何や風邪引きかいな」

「伝染さんといてや」


と言った。

嫌みな二人だ。

由麻の友人とは言え、多分この二人も由麻とは肉体関係があるのだろう。僕同様。

それを考えると、このカラオケボックスの305号室には由麻の穴兄弟が勢揃いしているわけだ。


僕は咳が出て呼吸が苦しかったが、一曲目にシェド・ピシャスのマインウェイを歌ったらその現地人二人に、


「ペース早ないか?こういうソングはラストに盛り上がってる時に歌うもんやで。アホか」

「せや。アホ」


と馬鹿にされてムカついた。

僕はその時頭の中でざらざらとした砂の音を確かに聴いたし、現地人二人の歌う歌なんか聴いちゃいなかった。

由麻の歌は下手だったので僕がフォローを入れた。


現地人二人は別れ際に、


「今度来る時は風邪治してからいや」

「せやせや。あかんたれ」


と言ってそれがまた極めて不愉快なニュアンスだったので僕は由麻に対して不平を述べた。

大阪人の嫌味な悪いとこ全部集めたようなムカつく現地人二人とは別れて、由麻と二人でスタミナをつけようと生野区の焼肉屋に行った。


『チェジュ』という店だった。



           つづく



ご覧頂きありがとうございました。また来週土曜日にお会いしましょう。

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