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旅人は出会う

へんてこな雪だるまがくれたご褒美

作者: かねおり
掲載日:2026/01/16

旅人シリーズ15話となります。


2026年書き初めでございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

氷と雪の国の寒さにもだいぶ慣れた僕はいつもの服に着替えなおして方位磁針を見つめていた。




「随分進んだような気がするんだよなそろそろ出国したいな」そう呟くと、




「あら、ちょっと、そこのあんた!」と誰かに声をかけられたような気がしたが周りには雪だらけで声の主が見つけられない。




「あの、どなたか僕に声をかけてくれましたか?」と大きな声で話すと、




「こっちにちょっと来てちょうだいよ、あたし動けないのよ」と言う。遭難者が居るのか!どこだ?とまた方位磁針を見ていたら針の方向が変わって右を差した。




右に向かうとなんだろう、四角い雪が重なっている。これは塔?と思っていたら、




「よかったわぁ!あんたが来てくれなかったらあたしずっとここにしか居られないところだったわ」と塔かと思ったモノがしゃべった。




「あなたは何者ですか?」と聞くと、




「あらやだ~ここが氷と雪の国の出国地点よ~。あたしはここまで生き抜いてきた旅人にご褒美を渡す大事な仕事がある雪だるまなのよ」と言うが、




雪だるまって言っても四角い雪の塊が3段、よく見れば2段目にはツララが左右に刺さっている、一番上の段には紅葉の葉が二枚、目のように貼りついているし、その下には小さなドングリがまるで鼻のようで、口の部分だと思われる場所には銀杏の葉が貼りついている。そして一番の謎は一番上の段の上にみかんが置いてある事。




「雪だるまにしてはなんだかへんてこに見えますがなんで動けないんですか?」と聞くと、




「もう!失礼しちゃうわ!イメチェンをしてもらったのよ!このまつ毛のような目も可愛いでしょう~小さな鼻なんて素敵だし、黄色いリップを塗ったような唇もたまらなくセクシーで気に入っているんだから。でもね、以前は転がって動いていたのよ」と自称雪だるまは言う。




「誰にやってもらったんですか?」と聞くととびきり元気な旅人だったとのことで比較的最近この形になったそうだ。僕以外の旅人、そんなに遠くには行ってないはずだとジンベイザメに聞いてた人かな?




「それにしてもなんでまた四角くされたんですか?」と聞くと自称雪だるまは




「とびきり元気な旅人がさっさかと通過していこうとするから、あたしったら急いで転がってご褒美を渡そうとしたら崩れちゃったのよね。そうしたら、その子が崩れないようにイメチェンしようって言ってくれて、その子が安定する四角にしてくれて、ありがとう!って言ったらご褒美も受け取らずにすぐに行っちゃったのよ。それからあら、あたし動けなくなったわって気づいたのよ~」




「僕が丸くしましょうか?」と聞くと、四角いイメチェンは嫌いじゃないのとの事だったからどうやって四角を保ったまま動けるようにするかを周りを見渡しながら考えていたら、僕はソリを持っている事に気づいた。




そして腕のように刺さっているツララは今は短くて上を向いているけど、あちらこちらにツララはあるから、僕は自称雪だるまに提案した。




「もしよかったらダイエットなんてしてみませんか?」と言うと、




「あら、あんたあたしが太ってると思ってるの?失礼しちゃうわ」と少し怒られた。




「失礼しました!僕が持っているソリを使えば四角いままでも移動が出来るんじゃないかと思って」と言うと、雪だるまはソリならちょっと掘ればいくらでも埋まっていると教えてくれた。




とりあえず色んな所を掘り返して出てくる事出てくる事ソリはここで置いていくものなのかな?と思っていたら、




「ここは氷と雪の国の出国地点だけどこの先にはまだ雪がないわけじゃないのにみんなここにソリを投げ出して行っちゃうのよね。でもあの旅人はソリ持ってなかったわね」と言う。ソリのポイ捨てか嘆かわしいな。




ソリを見つけられるだけ見つけて、僕は自称雪だるまの居る場所から階段と滑り台を作った。




「あら、そんなもの作ってどうするの?」と自称雪だるまに聞かれたから、




「あなたからご褒美をもらったら持っているソリで勢いよく出国してもらえるようにすればソリのポイ捨てがなくなるかなと思って」と言うと、




「ブラボー!ソリを持っていない旅人にはあたしがこの山積みのソリをあげればいいのね!なかなかやるじゃないのあんた~見直したわ。でもあたしが動けない事に変わりはないわね」




とションボリしていたので一番下の段に氷を削ってスキーを作り自称雪だるまの下を少しずつ掘ってスキーを設置して、短かった腕ツララも長いツララに変えて地面まで届くようにした。




「ちょっと頑張って腕を前の地面から後ろに動かしてみてください」とお願いすると、自称雪だるまはゆっくりと前に進むことが出来るようになった。




「きゃ~あたしったらうごけるじゃないの!」と喜んでもらえたようだ。




カマクラよりもかなり大きな雪の滑り台を作った僕はすっかり身体がポカポカだった。慣らしていけば慣れるものなのだな。ジッとしていたら凍えてしまうだろう気温だけど身体を動かしていたらちょっと暑いくらいになるもんだ。




動き回れることを楽しんでいる自称雪だるまに声をかけて、僕は出国の準備をした。階段の踏み心地よし!幅広に作った滑り台と横に落ちないように作った壁の高さよし!あ、その前に自称雪だるまに声をかけた。




「出国のご褒美いただけますか?あと一つ質問があるんですけど」と言うと、




自称雪だるまは一枚の紙を僕に渡してくれた。ただの真っ白い紙に見える。




「これがご褒美ですか?ただの紙に見えるけど」と言うと少しみかんの香りがした。




「出国したら炙り出してみるといいわよ。それと質問て何かしら?」と答える。




「なんで頭にみかん乗せているんですか?」




「とびきり元気な旅人があたしが丸かった時にみかんを乗せたら鏡餅みたいで縁起がいいね!って乗せてくれたんだけど、なんだかお餅と言えば四角いお餅だよね~って三段重ねの四角い鏡餅風雪だるまにしてくれたんだそうよ」と言う。




なんだか本当に遊び心の塊のような旅人だなそのうち追いつけるといいんだけど。




さて、出国のプレゼントも貰ったし、環境問題も何とかなったみたいだし、あとは勇気をだして、一度限りのテスト出国だ!ソリに乗って勢いよく滑り出した!




ちょっと怖かったけどとても気持ちいい滑り心地よし!




「生き抜いて出国おめでとう!」と縁起のいい雪だるまは叫んでくれた。




長かった氷と雪の国の旅は終わったけど、まだまだ僕の幸せになるための旅は終わらない。




着地した先では大きな焚火があり、僕は雪だるまに貰った紙を近づけてみた。




みかんの香りと共に真っ白に見えた紙は少しずつ茶色い線が浮かびあがってきた。




これは・・・・・・地図?


つづく

少しずつもう一人の旅人に近づいていますね。


ポイ捨て対策は本当に問題になっていますね。ポイ捨てはだめよ~と雪だるまさんもきっと言ってくれます。日本ならではの炙り出しは年賀状などでわたくしよくやりまして楽しくて好きです。


柑橘系よりも砂糖水の方が見えなくていいのですが乾くのが早いとかけているか心配になりますね。


年賀状には向いていませんが夏にはフリクションペンで一度ドライヤーでけしたものなどを炙り出しならぬ、冷凍庫出しにするのも楽しいですよ。


最近お手紙書いてないなって時には是非温度によるマジックのような白紙を送ってみてはいかがでしょう?


いつもお読みくださりランキングまで入れてくださりありがとうございます。

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