表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君がくれた無垢な愛を僕は今日も抱きしめる  作者: あさの紅茶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/102

1.車椅子の君_13

どこに行こうかと談笑しながら食を進めるのはあっという間の時間だった。


亮平にとって誰かとこんなに楽しく話をしたり、ときに緊張したりするこの感覚はいつ以来だろう。

忘れていた感情が揺り動かされるような、そんな気持ちに戸惑いつつも、この先に待ち受ける未来に期待と不安が入り混じる。


そんな揺れる亮平の心を知ってか知らずか、陽茉莉は「亮平さんって呼んでいいですか?」と聞いてくる。


そうやってどんどん亮平の気持ちを絡めて捉えて離さない。


「……俺も名前で呼んでいい?」


「もちろんです。陽茉莉と呼んでください」


「……陽茉莉」


「はわわっ」


陽茉莉は両頬を押さえる。

亮平が不思議に思って首を傾げれば、「やばいです。すっごくドキドキしました」と興奮気味に頬を染めた。


そんな陽茉莉を見ていると、亮平の方こそ柄にもなくドキドキと心を揺らしてしまう。


一体どうしたというのだ。

こんな感情は捨てたと思っていたのに。


お会計をして店の外に出れば、長谷川が車を着けて待っていた。


「矢田様、ご自宅までお送りしますね」


「えっ、そんなそんな。最寄り駅で大丈夫です」


「そういうわけにはまいりませんよ」


「そうだよ、陽茉莉。遅くなってしまったし、送らせて」


「でも……」


「それに、もう少し陽茉莉と話がしたい」


まっすぐに見つめられてぐっと言葉に詰まる。

そんなことを言われたら首を縦に振るしかなくなるではないか。


陽茉莉は「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言って、厚意に甘えた。


陽茉莉の方こそ亮平ともっとお喋りしたかったし、離れがたくなっていた。もっともっと、彼を知りたいと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ