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Eternal Heart! 蒸気爆発と、敵だらけのハーレム (R15)

蒸気と欲望のバトル、そしてハーレム(敵)登場。 ジェイズの機転(と卑怯な手)で怪物を撃破! しかし、最大の敵は身内にあり。 アイリちゃん、キスの味を思い出してトロトロです(笑)。 そして新たに登場した4人のヒロインたち。 ヤンデレ妹にツンデレ剣士……ジェイズへの好感度は絶望的。 ここからどうやって100%にするの!?

挿絵(By みてみん)

炎が晴れた。 怪物の皮膚は焼け焦げていたが、痛みは奴の怒りを煽っただけだった。 血走った目がジェイズを捉え、太い足の筋肉が膨張し、床タイルを踏み砕く。


「愛……嘘……!!」


肉と憎悪の弾丸となって突っ込んでくる。


「チッ! 速い!」


ジェイズは防御しなかった。今の身体能力で受ければ、リョウのように吹き飛ばされるだけだ。 彼は野球のスライディングのように床を滑り、黒板を粉砕した必殺の一撃を間一髪で潜り抜けた。


ガシャアアアン!


(キャピ! 残り時間は!) ジェイズは回転して立ち上がりながら叫んだ。


『残り4分30秒です、親愛なる宿主様。有効に使ってくださいね!』


ジェイズは空いた手で廊下の床に触れた。 「環境錬金術:ロッカー・トラップ!」


赤い光が床を走り、廊下の両側に並ぶ金属製ロッカーへと伝わった。 金属が軋み、彼の意志に従う。 怪物が振り返った瞬間、ロッカーの扉が槍のように飛び出した。 左右からの挟撃。鋼鉄のプレスが怪物を捕らえる。


ガシャンッ! ギギギ……!


「今だ!」


ジェイズは走った。錬成した剣を床に引きずりながら。摩擦と錬金術の熱で、刃が赤から白へと輝きを変える。


溶断斬フュージョン・スラッシュ!」


跳躍。回転。そして垂直の一閃。 剣は斬るだけでなく、怪物の右肩の肉と骨を溶かし、不快な音と共に傷口を焼き塞いだ。


怪物は絶叫したが、その耐久力は異常だった。 自由な左腕の裏拳が、空中のジェイズを捉えた。


ドゴッ!


ジェイズは吹き飛ばされ、天井にバウンドして古い机の山に墜落した。


「ぐっ……!」 口の中に血の味が広がる。 「トラック並みかよ……」


怒り狂った怪物は拘束を引きちぎり、壁のコンクリートごとロッカーを破壊した。 大口を開け、喉の奥にどす黒いエネルギー球を形成し始める。


『範囲攻撃警報! 回避してください!』


(無理だ……後ろにはアイリとリョウがいる) ジェイズは震える足で立ち上がった。 (避ければ二人が死ぬ)


周囲を見渡す。剣よりも強力な何かが必要だ。 彼の目は、天井のスプリンクラー配管と、戦闘で剥き出しになったパイプに止まった。


「水……そして極限の熱……」 不敵な笑みが浮かぶ。 「圧力鍋にしてやるよ」


怪物が闇のビームを放った。 「死ネェェェ!!」


ジェイズは剣を床に突き立て、両手を天井に向けた。 「流動錬金術:蒸気爆発スチーム・エクスプロージョン!」


頭上の水道管を破裂させ、同時に剣から収束した熱波を放つ。 落ちてくる水に、超高熱が直撃した。


水は沸騰などしない。爆発的に昇華した。


ボオオオオオオオオオッ!!!


廊下は瞬時に高圧の熱蒸気で満たされた。 蒸気の爆圧が闇のビームを逸らし、天井へと直撃させる。 そして怪物を、内側から蒸し焼きにする熱地獄が包み込んだ。


「ギャアアアアアッ!」 怪物がのたうち回る。皮膚が瞬時に焼けただれていく。


自身の熱耐性に守られたジェイズは、視界を奪われた怪物の隙を突いた。 冷えて形を失いかけた剣を掴む。


『残り30秒。トドメを!』


「これで終わりだ!」


ジェイズは白霧の中を疾走した。 錯乱した怪物が闇雲に爪を振るう。ジェイズはそれを紙一重でかわし、懐に潜り込んだ。 剣を怪物の胸、黒い心臓が脈打つ場所へ突き刺す。


それだけではない。


「オーバーロード(過負荷)!」


残りの全錬金術パワーを剣に注ぎ込む。 怪物の体内で、刃が閃光のように輝いた。


ドォォォォンッ!!


剣が内部から炸裂した。灼熱の破片が怪物の核を粉砕する。 怪物は胸に風穴を開けたまま静止し、やがて黒いデータの粒子となって崩れ落ちた。 まるでシステムエラーが消去されるかのように。


ジェイズは膝をついた。手は空っぽで、火傷を負っていた。


『タイムアップ。錬金術パワー:0%』


「くたばれ……キャピ……」 ジェイズは仰向けに倒れ込み、破壊された天井を見上げた。勝利したが、満身創痍だ。


静寂が戻った。破れた配管からの水音と、金属が冷える音だけが響く。


床に転がりながら息を整えていると、視界の端でリョウが動き出した。 「勇者」は頭を押さえて呻いた。


「うぅ……何が……?」 リョウは蒸気の霧の中で目をしばたたかせた。 「ジェイズ? アイリ?」


(ヤバい、起きた!) ジェイズは必死に体を起こした。 (キャピ、言い訳を頼む! なんで廊下が戦場跡で、怪物が消えてるのか!)


『うーん……正直に言えば? 「君の女とキスして力を取り戻し、怪物を消し飛ばした」って。きっと理解してくれますよ』


(殺されるわ!)


リョウは座り込み、床の大穴と壁の惨状を見て目を丸くした。 「怪物は……どこだ? 俺たち、やられたのか?」


ジェイズは引きつった笑みを浮かべた。 「あ、ああリョウ! 目が覚めたか! 怪物は……その……えーっと……」


「君が倒したのか?」


「俺!? いやいやいや! まさか!」 ジェイズは全力で否定した。 「君だよ! 君がやったんだ!」


「俺が?」 リョウは自分を指差した。


「そう! さっきの君の蹴り……あれが凄かったんだ。どうやら……そう、『遅効性』の効果があったみたいで! 怪物が笑ってたら突然……ドカン! 内側から爆発したんだ! きっと君の光のエネルギーが蓄積してたんだよ。さすがリョウ!」


リョウは自分の手を見つめ、それからクレーターを見た。困惑が、次第に驚きと自信へと変わっていく。 「遅効性……? 俺の『光の蹴り』がこれを?」 彼は拳を握りしめた。 「自分にこんな力が眠っていたとは……修行の成果が出たのかな」


(チョロい!) ジェイズは内心でガッツポーズした。 (歴代最高の鈍感主人公で助かった)


「もちろんだよ! さすが勇者だ」 ジェイズは彼の背中を叩いた。 「さあ、行こう。また敵が来るかも……」


「んっ……ぁ……」


甘く、濡れたような吐息が会話を遮った。


二人は振り返った。 教室の机の上で、ジェイズが魔力補給に「使用」したアイリが身じろぎしていた。 背中を反らせ、制服が張り詰める。頬は高揚し、首筋まで赤く染まっている。 呼吸は荒く、まるでマラソン直後のような……あるいは情事の後のような乱れ方だった。


「アイリ!」 リョウが駆け寄る。 「怪我はないか?」


アイリは夢現ゆめうつつの中で眉を寄せ、無意識に両足を擦り合わせた。キスで腫れた唇が開き、吐息が漏れる。 「ん……いや……待って……もっと……」


リョウが耳を澄ませる。 「何か言ってる? 痛いのか?」


「ジェイズ……」 アイリはとろけるような甘い声で囁いた。 「ジェイズ……あれは……激しすぎ……んっ……指が……ぁ……」


教室に完全な静寂が落ちた。 リョウが凍りつく。ジェイズの魂が本日二度目の逃亡を図った。


「ジェイズ?」 リョウがゆっくりと振り返る。 「今、君の名前を呼ばなかったか? それに……『激しい』? 『指』?」


「あ! アハハハ!」 ジェイズは引きつった笑い声を上げ、ドアへ後ずさりした。 「そ、そう! 怖い夢を見てるんだよ! ほら、俺が怪物に食われる夢とか! そうだ! 俺が爪(指)で引き裂かれる激しい死に様を見てトラウマになったんだよ! 可哀想に!」


アイリは再び身じろぎし、胸元を――ジェイズが触れた場所を――強く握りしめた。無意識に唇を舐める。 「貴方の唇……熱い……火傷しそう……」


リョウが目を細める。 「唇? 火傷?」


「熱だ!」 ジェイズは叫んだ。 「恐怖による知恵熱だよ! このゲーム……じゃなくて世界じゃよくあることだ! 保健室か水が必要だ! 俺、水探してくるわ!」


返事を待たずに、ジェイズは脱兎のごとく逃げ出した。


『アイリの好感度:45%。状態:性的混乱と興奮の残滓』 キャピが報告する。 『リョウの疑惑度:15%。おやおや、プレイボーイさん!』


(黙れ! 脱出ルートを探すのを手伝え!) ジェイズは半壊した廊下を走った。 混乱する勇者と、裏切りの味を知ってしまったヒロインを残して。


◇◆◇


一行は二階の図書室に到着した。机と本棚でバリケードが築かれている。 リョウは両開きのドアを劇的に開けた。


「戻ったぞ!」 リョウは胸を張った。 「安全確保完了だ!」


ジェイズは目立たないように後ろから入ったが、空気は一変した。 四対の瞳が彼らを射抜く。 いや、リョウを熱っぽく見つめ……そしてジェイズを絶対零度で見下ろした。


「お兄ちゃん!」 金髪ツインテールの竜巻がリョウに飛びつき、首に抱きついた。 「ミカ、苦しいよ!」 「心配したんだから! 私のアイドルハートがざわついたの!」


天音あまねミカ――義理の妹。 彼女はリョウの肩越しにジェイズを睨みつけた。青い瞳が敵意で輝く。 「で、このエキストラ(モブ)は誰? なんでお兄ちゃんと同じ空気を吸ってるの?」


ジェイズは唾を飲み込んだ。赤いウィンドウが出る。


【天音ミカ —— 雷のアイドル】 属性: ブラコン / 潜在的ヤンデレ 勇者好感度: 92%(危険域) 貴方への好感度: 2%(明確な敵意) 状態: 0%になると「事故」で感電死させられます。


(2パーセント!? 誤差レベルじゃねーか!)


「遅いわよ、リョウ」 冷たく鋭い声がした。 本棚に寄りかかり、木刀を手にした完璧な着こなしの少女、藤本ふじもとリナ。 彼女は腕を組み、ほんのりと頬を染めながら顔を背けた。 「別に待ってたわけじゃないけど……リーダーなんだから、時間は守りなさいよ」


【藤本リナ —— 紅蓮の剣士】 属性: 古典的ツンデレ 勇者好感度: 78%(否定しつつもベタ惚れ) 貴方への好感度: 5%(軽蔑) 状態: 貴方を邪魔者と認識。侮辱すると斬られます。


(最高だ……電気椅子と処刑人が揃ってる)


奥のテーブルでは、眼鏡の少女がケーブルに繋がれたノートPCを猛烈な勢いで叩いていた。顔も上げない。 「遅延時間7分32秒。計算によると敵との遭遇率が40%上昇しました。リョウ、貴方の非効率さは私のデータを乱します」


花弁はなびらエミ —— 疾風の科学者】 属性: メガネ / 理論派クーデレ 勇者好感度: 65%(科学的興味……という名の恋心) 貴方への好感度: 15%(無関心)


そして最後に、暗い隅で古書を読んでいる少女、サヨ。彼女は黒い瞳を少し上げただけで、人形のように無表情に会釈した。


霧崎きりさきサヨ —— 静寂の巫女】 属性: ダウナー / ミステリアス 勇者好感度: 70%(静かな崇拝) 貴方への好感度: 10%(不明)


「みんな、落ち着いて!」 リョウがジェイズの肩に手を置いた。 「彼はジェイズ。生存者だ。危ないところだったよ! レベル3のモンスターが出たんだが、俺の『光の蹴り』で撃退した!」


「レベル3?」 リナが鼻を鳴らし、ジェイズを上から下まで値踏みした。 「で、リョウが戦ってる間、そこのアンタは隠れてたわけ? いかにも逃げ腰な顔してるわね」


「え、いや、俺は……」 ジェイズが言いかけると、選択肢が出現した。


【選択肢発生!】 A:「俺が助けたんだ!」(リスク高。リナ好感度:-100%) B:「ああ、リョウは凄かったよ」(リナ好感度:+1% 哀れみ) C:「アイリを守るのに必死で……」(効果不明)


(クソッ、芋虫のように生きるしかないのか) 「リョウは凄かったよ」 ジェイズは引きつった笑みで言った。 「俺は……邪魔にならないようにするのが精一杯で」


リナは舌打ちした。 「身の程は知ってるみたいね」 好感度が惨めにも6%になった。


「ちょっと待って!」 ミカがリョウから離れ、犬のように鼻をひくつかせながらジェイズに近づいた。目が危険なほど細められる。 「変な匂いがする……これ、アイリの匂い?」


ジェイズの心臓が止まりかけた。 (ヤベェ! キスの匂いか!? フェロモンか!?)


ミカはドアのそばでうつむいていたアイリを見た。 「アイリ、なんでそんなに顔赤いの? なんで唇触ってるの?」


全員の視線がアイリに集まる。 アイリは夢から覚めたようにビクリと震えた。ジェイズの背中を見つめていた熱っぽい視線を、慌てて逸らす。


「わ、私!? な、何でもないわ!」 アイリはさらに赤くなった。 「ただ……戦いが……激しかったから」 彼女の目が一瞬だけジェイズに戻り、下唇を噛んだ。 「すごく……熱かったの」


ジェイズはアイリのウィンドウが点滅するのを見た。 【アイリ好感度:46%】 【状態:キスの感触を反芻中】


「熱い?」 エミが眼鏡を光らせた。 「室温は22度。体温上昇が見られます。感染症による発熱?」 「違う!」アイリが叫んだ。「喉が渇いただけ!」


「フン」 リナは腕を組み、疑わしげにジェイズを見た。 「ま、いいわ。ここに置くとしても、守ってもらえるとは思わないでね。お荷物は嫌いよ」


「お兄ちゃんに近づかないでね」 ミカのツインテールからバチバチと火花が散る。 「変なことしたら黒焦げにするから」


『レベル1へようこそ、宿主様』 キャピが囁く。 『殺意高めが二人、無関心が二人、そして……貴方を食べたくてウズウズしてるのが一人。さて、どう攻略します?』


ジェイズは溜息をついた。ミカとリナの殺気を感じながら。 (酒か……奇跡が必要だ)


(続く)


挿絵(By みてみん)

「指が……激しい……」 リョウ君、もっと疑ってください。 アイリちゃんのうわ言が具体的すぎてヒヤヒヤしました。 次回から本格的な共同生活サバイバルが始まります。 好感度2%からの逆転劇なるか? それとも電気椅子行きか?


【お願い】 「アイリちゃんエッッ!」「修羅場確定w」と思ったら、 下の ☆☆☆☆☆ で評価をお願いします! ジェイズの命綱になります!

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