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空からの来訪者、ハミール艦隊接近!

ハミール艦隊、到着。 ヤミールの目的とは? そしてリンの「殺気」の正体は? 一方、ジェイズの知らないところで、かつての仲間(?)たちが賑やかな会話を繰り広げています。 大賢者コーネリアスの魔法、相変わらずえげつないですね(笑)。 そして空から迫るハミールの艦隊。 物語は再び動き出します!

挿絵(By みてみん)

少し時間を遡る。 宇宙港の出発ゲート。エンジン音とアナウンスが響く中、ヴァレンティナはリンと共


に待っていた。


「恩人様、遅いですねぇ……」


リンがつま先立ちをして、期待に目を輝かせた。


「早く会いたいですぅ!」 「落ち着きなさい。もうすぐ来るわ」


ヴァレンティナは視線を逸らさずに言った。そして、近くで腕を組んで待つ青い眼鏡の少年に顎をしゃくった。


「貴方……何が目的?」


ヤミールは眼鏡の位置を直した。


「私にも用事があるのです。この機会を逃すわけにはいきませんから」


ヴァレンティナの目に警戒の色が宿る。


「貴方、あのハミール将軍の弟よね?」 「ええ、そうです」


(まさか、私のギルドの誰かが兄の任務を横取りしたことに気づいているの……?)


ヴァレンティナの思考が加速する。SSSランクの冒険者に睨まれたら、法など無意味だ。消されて終わりかもしれない。


「ご心配なく」


ヤミールは彼女の不安を見透かしたように言った。


「兄に関する件でここに来たわけではありませんから」 「し、心配なんてしてないわよ」


ヴァレンティナは舌打ちした。


(このガキ……全部お見通しか)


「あっ! 来ました!」


リンが跳ねた。


「恩人様だぁ!」


彼女は駆け出し、笑い声を残してジェイズに飛びついた。


「リン! いい子にしてたか?」


ジェイズは彼女を受け止め、優しく抱き上げた。


「うん! お兄ちゃんもいい子にしてた?」 「ああ、いつもいい子だよ」


一瞬、リンの表情が曇った。瞳の奥に冷たい影が走る。


「……嘘つき」 「え? 何か言った?」


ジェイズが尋ねると、リンはパッと明るい笑顔に戻った。


「ううん! 恩人様に会えて嬉しいだけ!」


和やかな空気の中、ドラカリスだけが目を細めた。 首筋に冷たい刃を当てられたような感覚。本能が警鐘を鳴らす。


(一瞬、凄まじい殺気を感じたが……いや、気のせいか。ただの子供だしな)


リンはドラカリスの鋭い視線に気づいた。


(あのトカゲ……勘がいいわね。気をつけないと。殺す羽目になるわ)


「心配すんなって」


ジェイズは笑った。


「ドラカリスは見た目怖いけど、中身は優しいからさ!」 「優しくなどないわ!」


ドラカリスが低い声で唸る。


「妾は混沌! 破壊の権化じゃ!」 「それ、あの悪魔のセリフだろ?」 「もうあやつは倒したから、妾のセリフじゃ!」


リンはジェイズの腕の中で頬を赤らめた。


(この抱擁……暖かい……この男……私……)


「あらあら~」


シャルロットがからかうように言った。


「リンちゃんったら、すっかり『恩人様』にメロメロね! アハハ!」 「う、うるさいバカぁ!」


リンは真っ赤になってジェイズの腕から逃げ出した。 全員が笑い声を上げ、空気は幸せな色に染まる。 リンは心から笑っていた。こんな感情は、神として生きた永い時の中でも記憶になかった。


「お楽しみのところ申し訳ありません」


ヤミールが冷静に割り込んだ。


「少しお話があります」 「ジェイズ」


ヴァレンティナが紹介する。


「この子はヤミール。ハミール将軍の弟よ。貴方に用があるそうよ」 「え? 俺に?」


ジェイズは驚いた。


「俺なんかに何の用が?」 「正確には貴方ではありません」


ヤミールは真剣な眼差しを向けた。


「そこの竜血の女性……ドラカリスさんに用があるのです」 「妾にか?」


ドラカリスが怪訝そうに眉をひそめた。


***


【船内の休息と、過去への扉】


宇宙船が離陸し、星の海へと飛び立った。 船室の一つで、リタは一枚の写真を寂しげに見つめていた。ラウルとミタを含む、かつてのチーム全員が写った写真だ。


「お姉ちゃん……一応の敵討ちは済んだよ。でも、会いたかったな……ちゃんとお墓を作ってあげたかった……」


涙がこぼれ落ちる。


「リタ、ご飯よ」


ヴァレンティナが顔を出した。


「みんな食堂にいるわ」 「はい……すぐ行きます」


リタは涙を拭った。ヴァレンティナは彼女の手にある写真を見て、慎重に口を開いた。


「そういえば、転移時計を作った発明家が私たちに頼みがあるそうよ。もしよければ一緒に来ない? 彼はダンジョンの研究もしているから……お姉さんが生きている可能性についても分かるかもしれないわ」 「えっ……?」


リタの声が震えた。


「ど、どうしてそんなこと……」 「過去に例があるの。ダンジョンに取り残されて死亡扱いになった冒険者が、数年後に生還したケースがね」 「お願いします、隊長!」


リタはすがりついた。


「ぬか喜びさせないでください……本当なんですか?」 「ええ、記録にあるわ。可能性はゼロじゃない。……さあ、行きましょう」 「はいっ!」


リタの顔に、わずかだが希望の灯がともった。


***


【二週間後:惑星アルタリウスR50上空】


五隻の宇宙船からなる小規模艦隊が、惑星アルタリウスR50に接近していた。 緑豊かな大地とエメラルドの海を持つ美しい惑星だ。


『ボス、到着しました。本当に降りるんですか?』


通信機からオペレーターの声がする。 ハミールは冷徹な目でスクリーンを見つめていた。


「ああ。あの少年がどうやってあの任務を達成したのか、この目で確かめる必要がある」 『トーナメントの映像を見ましたけど、大したことないですよ? まだEランクですし』


ハミールは重い溜息をついた。


「ロエ、ランクだけで判断するな。彼は教会の聖剣使いを倒したんだぞ? 加護も封印も持っていたAランクの使い手をだ。まぐれで勝てる相手ではない」 『ハハハ、いやぁ、あれは卑猥な手を使ったからでしょう?』 「……あの『存在』がこの少年の命を狙うには理由があるはずだ。戦う前に調査する」


(母上を救うためだ……どんな汚い手を使っても、やり遂げる)


大気圏突入の摩擦音が、彼の決意のように鋭く響いた。


***


【北の大陸メガドリアン:英雄の別荘】


一方その頃、ジェイズが救ったメガドリアン王国では。 広大な敷地に、白亜の豪邸が建設中だった。 有名な(そしてオネエ口調の)建築家ドロパンが叫ぶ。


「さあみんな! 愛と情熱を込めて! 王様からの直々の依頼よ、急いで!」


その近くで、ドランザーは木陰で昼寝をしていた。 兄のダルゴは巨木を軽々と運んでいる。


「ドランザー様……」


ドロパンが呆れた。


「感謝の気持ちで手伝いに来たんでしょう? お兄様を見習ってくださいよ。あーん、素敵なお体!」 「うるせーな」


ドランザーはあくびをした。


「姉貴がサボって消えたんだから、俺が頑張る必要ねーだろ」 「お姉様は英雄殿に召喚されたらしいな」


ダルゴが丸太を置きながら言った。


「未だに信じられんが」


その時、青い閃光と共に大賢者コーネリアスが現れた。


「いい質問ですね、若き戦士ダルゴよ」


賢者は穏やかに微笑んだ。


「それこそがジェイズ殿の偉大さなのです」 「錬金術師が召喚術を使うのは知ってるが、姉貴みたいな怪物を呼べるなんて聞いたことねーぞ」


【回想:ドラカリスの消失と通信】


訓練場。 ドラカリスは弟ドランザーを圧倒していた。


「ほらほら、どうした弟よ? 弱すぎるぞ?」 「うるせぇ! 人間に惚れたバカ姉貴が!」


その時、ドラカリスの足元に錬金陣が輝いた。


「ぬ? ……主が呼んでおる!」


彼女は瞬時に消え去った。 数時間後、空中に映像魔法が投影された。


『悪いな兄弟! 悪魔を倒してきたぞ。弱すぎて退屈じゃったがな!』 『ドラカリス!』


キャサリン王女が画面に割り込んだ。


『無事だったのね!』 『王女様!』


ジェイズがドラカリスの後ろから手を振った。


『俺がついてますから大丈夫ですよ! 皆さん元気ですか?』 『ジェイズ様ぁ! 会いたいですわ!』 『フィリア王女は?』 『部屋で休んでます。もっと食べて体力をつけないと……』 『え? 病気ですか?』 『いえ……病気ではないのですが……』


キャサリンは意味深に微笑んだ。


『安心しました!』 『ジェイズ様、愚かですねぇ。フフフ』 『ははは……さて、挨拶したい人が……』


『若き英雄よぉぉぉッ!!!』


画面いっぱいにコーネリアスの怒りの形相が映し出された。


『久しぶりじゃのう!』 『げっ……そろそろ切りますね』 『切るでないッ! 貴様には聞きたいことが山ほどあるんじゃあッ!!』


ブツッ。通信は切れた。 コーネリアスは杖を握りしめた。


『……いつか必ず会ってやる』


【回想終了】


「へっ」


ドランザーは鼻で笑った。


「俺を喚べばよかったんだ。あのバカ姉貴より俺の方が強いしな」 「……お前にはまだ早い」


ダルゴが冷や汗をかいた。


「それと『惚れた』とか言うなよ。コーネリアス様が……」


「ワシが何じゃあぁぁぁぁッ!!」


コーネリアスが口と耳から火を吹いて激昂した。


「あの小僧に会ったら『不能の呪い』をかけてやる! 可愛い姫様たちにあんなことしおって! 特にフィリア様のお腹のアレは……王にはまだ言えんが、いずれバレるじゃろうて……!」


ドロパンが興味津々で食いついた。


「あらやだ、何をしたんですか? 教えてくださいよぉ♥」


賢者は杖を向けた。


「『記憶消去オブリビオン』!」 「ちょっと待っ……ギャアアア!」


ドロパンが白目をむいて倒れる。


「さらに『無限下痢エターナル・ダイアリア』!」 「コケコッコーーーッ!!」


ドロパンは鶏のような悲鳴を上げて悶絶した。 ドランザーは空を見上げた。


「……兄貴、あれ」


彼は目を細めた。


「空を横切ってるの、宇宙船じゃね?」


(続く)

挿絵(By みてみん)

『無限下痢』はやめてあげて。 ドロパンさん、ご愁傷様です。 フィリア王女の「病気じゃない」状態……これはもしや? ジェイズの種まき(意味深)の結果が気になりますね。 次回、ハミールとジェイズ、ついに激突か!?


【お願い】 「コーネリアス爺さん最高w」「ハミール来た!」と思ったら、 下の ☆☆☆☆☆ で評価をお願いします! ドロパンのお尻を守るために!

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