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公衆トイレの情事

聖剣の乙女、陥落。 ついに一線を越えてしまった二人。 しかも場所は……まさかの公衆トイレ!? 清楚なアリスの大胆な一面と、それを目撃してしまった部下たち。 そして鋭すぎるリンの嗅覚(と毒舌)。 カオスな展開をお楽しみください!

挿絵(By みてみん)


その頃、中央ギルドの本拠地、惑星センテラの夜。 魔法の街灯が照らす遊歩道を、我らが英雄と、聖剣の乙女アリスが並んで歩いていた。噴水の水音と遠くの街の喧騒が、夜風に乗って運ばれてくる。


「えっと……」


ジェイズは照れくさそうに頭をかいた。


「説明してくれるって約束だったよな? ほら、ラウルが悪魔に乗っ取られた時のこと」


アリスは月光に金髪を輝かせながら、静かに振り返った。


「ええ、覚えているわ。忘れるはずがないもの」 「あの時、俺に『英雄の血』の意味を教えるって言っただろ? あれって一体何なんだ?」


彼女は予想外に甘い微笑みを浮かべた。その眼差しは熱を帯びていた。


「私たちに残された貴重な時間を、そんな話で無駄にするつもり?」 「あ、ごめん!」


ジェイズは慌てて頭をかいた。


「ただ……その、きっかけを作ろうと思って……」


アリスの緑の瞳が、彼を貫いた。


「きっかけなら、他の方法があると思うわ」


彼女は恥じらうように伏し目がちに言った。 ジェイズの心臓が跳ねた。彼女の意図を理解するのに時間はかからなかった。


「……そうだな。回りくどいのはやめよう」


彼は決意を込め、そっと彼女の顎を持ち上げ――口づけを交わした。


***


【茂みの中の観客たち】


すぐ近くの茂みの中で、四対の瞳が興奮に輝いていた。


「よしっ!」


ドレンがガッツポーズをした。


「やったぜ! 隊長がついにキスされた! よくやった!」 「なんてロマンチックなの……」


ミナはうっとりと手を組んだ。


「アリス様、本当によかった……」 「あの人、女心の扱いを分かってるわね」


ライラが感心したように呟く。


「直球勝負、嫌いじゃないわ」 「俺だって直球だぜ?」


レオが胸を叩く。


「状況さえ整えばな!」


ミナが呆れた目を向けた。


「アンタ? 女子を前にするとまともに喋れないくせに」 「あははは!」


忍び笑いが漏れたが、ライラが慌てて制した。


「シーッ! 聞こえちゃうでしょ!」


だが、二人の口づけは終わるどころか、さらに深く、激しくなっていた。


「おい……」


ドレンが目を剥いた。


「長すぎないか?」 「ちょ、ちょっと激しすぎるわ!」


ミナが真っ赤になって顔を覆う。


「もうロマンチックの域を超えてる……!」 「信じられない……」


ライラが呆然と呟く。


「アリス様があんな顔をするなんて……」 「おい、手が……胸に……」


ドレンが凍りついた。


「もうダメ、無理無理無理ッ!」


ミナが爆発した。


「これ以上は子供には刺激が強すぎるわ!」 「最高じゃねーか!」


レオだけが変態的な笑みを浮かべた。


「大人の階段登ってるぜ! もっと見せろ!」


バシッ! ドレンがレオの後頭部を引っぱたいた。


「行くぞバカ! これ以上はマズい!」 「えー! これからがいいとこなのに!」 「行くのよ!」


ライラが二人を引きずり、四人の若者はその場から逃走した。見てはいけないものを見てしまった罪悪感と興奮を抱えながら。


***


【情熱と戸惑いの間で】


唇が離れた時、二人の呼吸は荒くなっていた。


「アリスさん……本当に綺麗だ。でも、ここではマズいよ」


ジェイズの声が震える。 だがアリスの瞳は、燃え上がるような恋情に染まっていた。


「ダメ……止めないで」


彼女は切実に訴えた。


「もう二度と、こんなチャンスはないかもしれないの! お願い!」


(これは……俺の錬金術の影響じゃない。彼女の本心なのか?)


ジェイズは呆然とした。


「分かった……でも、さすがに野外はダメだ。誰かに見られる」


アリスは恥じらいながら、ある場所を指差した。


「あそこ……あそこなら……」


ジェイズが振り返ると、彼の表情が固まった。


「……公衆トイレ?」


彼女は真っ赤な顔でコクコクと頷いた。


「いいのか……?」


彼は唾を飲み込んだ。


「最高の場所とは言えないけど……時間がないなら仕方ない」


二人は忍び足で、心臓を早鐘のように打たせながら、その禁断の扉へと向かった。


***


【禁断の熱】


個室に入り、鍵をかけた瞬間、二人の理性が弾け飛んだ。 渇望していた獣のように求め合い、アリスの甘い声がタイル張りの狭い空間に反響する。


「シーッ……!」


ジェイズは彼女の口を手で塞いだ。


「声、抑えて! 誰か入ってくるかもしれないだろ!」 「ご、ごめんなさい……」


アリスは息も絶え絶えに答えた。


「でも……刺激が強すぎて……こんなの初めてだから……許して……」


ジェイズの視線が、彼女の太ももを伝う赤い筋に釘付けになった。


「……まさか、本当に初めてだったのか?」


罪悪感と驚きがない交ぜになる。 アリスは涙目で彼を睨んだが、その表情は愛らしかった。


「何よ……私が彼氏の一人もいたように見えた? ずっと剣に全てを捧げて生きてきたのよ……」 「マジかよ……」


ジェイズは頭を抱えた。


「知ってたら、こんな場所でなんてしなかったのに……」


アリスは首を振り、彼の首に腕を回した。


「もういいの……。ただ、私を幸せにして。汚して……私の愛する人しか知らない、みだらな私にして……」


少年の表情が変わった。迷いが消え、危険な雄の光が宿る。


「分かった。それが望みなら……こんな場所は、お前みたいな『悪い子』をしつけるにはお似合いかもな。覚悟しろよ?」


アリスは耳まで赤く染まりながらも、従順に頭を垂れた。


「はい……好きにしてください、ご主人様……この体は全部、貴方のものです」


そして、公衆トイレの壁は、聖剣の乙女の抑制のきかない歓喜の歌を聞くことになった。その聖なる称号を持つ者が発するとは到底思えない、淫らな響きを。


***


二時間後。


式典は既に始まっていた。 中央ステージでは、ギルドマスターのヤマト・サトウが、首に巨大なギプスを巻いた痛々しい姿で演説していた。


「愛しのヴァレンティナちゃーん! 今日も美しいねぇ!」


ヤマトの目からハートが飛び出しそうだった。 ヴァレンティナは露骨に嫌な顔をした。


「チッ……あのジジイ、相変わらずね」 「まあまあ、マスターですから……」


リアが困ったように笑う。


その時、ドラカリスが鼻をひくつかせた。


「クンクン……おお、主とあの娘が戻ってきたぞ。ふふ、随分と『楽しんだ』匂いがするのう!」


シャルロットが近づいてくる二人を見て、片眉を上げた。


「あーあ、バレバレ。素人ねぇ。髪くらい直してくればいいのに」 「羨ましい……」


リタがポツリと漏らす。


「幸せそうですね……」 「何の話をしてるの?」


何も知らないヴァレンティナが怪訝な顔をする。 ラファエラが皮肉な笑みを浮かべた。


「何でもありませんよ、隊長。あまり近づかない方がいいです。色々とね」 「……貴女がそう言うなら」


その時、リンが弾丸のように飛び出してジェイズに抱きついた。


「恩人様ぁ! どこに行ってたんですか!? 寂しかったんですよ!」


ジェイズは平静を装って微笑んだ。


「アリスさんと少し、込み入った話をね」 「嘘つき……浮気者」


リンが頬を膨らませて呟いた。


「え?」 「下水の匂いがする! オエッ!」


リンは舌を出して言い放った。


「えっ……!?」


アリスが凍りつき、慌てて自分の髪や服の匂いを嗅いだ。


「そ、そんな……」 「臭い女……恩人様は私のものなんだから!」


リンが悪意たっぷりに指差す。 アリスの目が怒りに燃えた。


「なんて失礼な子! 天国に行けませんよ!」 「まあまあ、喧嘩しないで!」


ジェイズは冷や汗をかきながら仲裁に入った。


「間に合ったよな?」


ヴァレンティナが呆れたように二人を見た。


「ええ、まだ私たちの番じゃないわ。でも……なんでそんなにボロボロなの? まさか特訓でもしてたの?」


ドラカリスがケラケラと笑った。


「そうじゃ! とっても『激しい』特訓をな! ギャハハハ!」 「黙れこのエロドラゴンッ!!」


ジェイズはトマトのように赤くなって叫んだ。


(続く)


挿絵(By みてみん)

「下水の匂いがする!」 リンちゃん、容赦ないですね(笑)。 せっかくの初体験の余韻が台無しです。 しかし、これでアリスもジェイズの「深い」関係者の一員に。 次回、いよいよ式典の本番! そして迫りくる宇宙の脅威とは……?


【お願い】 「アリス大胆すぎ!」「リンちゃん口悪いw」と思ったら、 下の ☆☆☆☆☆ で評価をお願いします! 更新の励みになります!

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