小話 「エターナル君」
俺がエターナル君と会ったのは、まだ小さいときだった。
背丈も俺のほうが大きいくらい、彼は小さかった。
俺は今日も明日を生きるため、妹のアルマと食べられるものを探しに出かけていた。
そんなときだった。
目の前を、彼が通りかかった。
青い花畑の中に、白い、ひとりの姿があった。
透き通るような白い肌に紅い目、肩まで伸びたふわりとした髪、まるで女の子のように華奢な身体を覆い隠すような、フリルがついた白い服。
俺は天使を何回も何人も見てきたが、そんな奴らなんか、彼とは比べ物にならない。俺から見て、そんな彼は「天使」だった。
――綺麗だ
いつの間にか俺の口からそんな言葉がでていたらしい。
俺はこんなこと、今まで生きてきて一度も言ったことはなかった。アルマが俺になにか言っているようだが、ひとつも俺の耳には入らない。
今、俺のすべては、彼に釘付けになった。
「貴方達は…?」
彼が喋った。一挙一動を目で、耳で、追ってしまう。俺は、しどろもどろに答えた。
「俺、は… アルト」
「わたしはアルマ! おにいさんはだあれ?」
ナイスだアルマ。俺は心のなかでそう言った。
「……俺は、エターナルだ」
エターナル、って言うのか。綺麗だなあ…
「エターナル君、明日、俺と一緒に…」
「…」
いや、俺は何を言っているんだ! こんな道端で会った奴に明日「どこかに行こう」なんて誘われても、行くわけないだろう!!
「…うん、いいよ」
いいの? こんな急に遊びの誘いをするような男、怪しいと思わないの?
「ありがとう! 明日の朝、ここに集合だよ! 約束だよ!」
「ああ、約束だ」
キャラ紹介・あとがき
【アルト】
身長143cm
エターナルに一目ぼれした。
夏に虫取り網持ってセミとりに行くタイプ。活発。
【アルマ】
身長135cm
アルトの妹として作り出された原初の魔族。
【エターナル】
身長135cm
アルトに一目ぼれした。
アルトの言葉を使って彼を表すのならば、「綺麗」な顔をしている。
このときは綺麗だった。純粋。
—————
ここまで読んでくれてありがとうございます!!
おだやかな…きもちです。