新たな『彼』
翌朝の朝刊は二つの事件で大いに盛り上がり、でかでかと見出しが出ていた。
――現役警察官による、同僚への発砲事件。理由は怨恨か!? 恋愛絡みか!?
その横の小さな枠に、「終幕。ついに犯人逮捕へ。無遺体連続殺人事件犯人 村田成人被疑者」と見出しが出ていた。警察が心力を注いで解決したはずの事件が、一夜にしておまけ程度になってしまった。これには松柴警視総監含め、警察上層部は大いに頭を悩ませた。
――警視庁 取調室
「で。話してもらえるかな」
「…………橋本課長。一つよろしいですか?」
「なんだ」
「峰島刑事はどうなりました?」
「深夜3時51分…………息を引き取ったよ。彼女は最後まで付き添いの警察官にうわ言で謝辞を述べていたと、そばにいた警察官から聞いたよ」
「……そうですか」
竹内は俯いたまま肩を震わせた。橋本はその姿を見ながら調書に自分の名前を書いていた。竹内はそのまま5分ほど経って顔を上げる。橋本は彼の顔を見て書くペンを止めた。
――彼は微笑んだ。
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