懺悔
私は殺してしまいました。
抵抗することもできず、何度も何度も振り下ろされました。
私は殺してしまいました。
自分の意思に反して、たった一粒の鉛玉を放出してしまいました。
私は殺してしまいました。
体を結ばれて、吊るされて、物理法則に従うままでした。
私は殺してしまいました。
吐きたくもない言葉を、吐いてはいけない言葉を、なすがままに伝えてしまいました。
私は殺してしまいました。
存在するだけでたくさんの人を狂わせ、苦しませ、そして悪事に手を染めることもありました。
私は殺してしまいました。
最期まで私を信じ続けるようにその瞳を向けてきても、気づかないフリをしてしまいました。
私は殺してしまいました。
嘘に塗れた仮面を取り付け、本当の自分など最初からいなかったと言わんばかりに。
お読みいただきありがとうました。
どんなものでも、使い方次第で簡単に凶器へと早変わりします。それをお忘れなきよう。
それでは、次回の作品もまたよろしくお願いします(→ω←)