番外編短編・「たぶん」の確率
またしてもコンビニで偶然エディにあった。
今回は、コンビニのキャンペーンに大興奮している様子だった。何でも一つ買えば、レシートにもう一個無料で貰えるクーポンがついているらしい。店頭には「プライチキャンペーン」とあり、大きく展開されていた。
「ペットボトルのお茶買ったら、今度はじゃがりこが貰えるんですよ!」
興奮状態のエディの苦笑しながら、私もついついキャンペーン対象商品のペットボトルのお茶を買ってしまった。
レシートには、1週間後に交換できるとある。忘れっぽい人や、レシートの管理が適当なズボラな人は、あまり向いていないキャンペーンかもしれない。個人的には、700円以上買うとくじ引けるコンビニキャンペーンも良かったと思い出す。
そんな事を考えつつ、エディと二人でコンビニを出て途中まで一緒に歩く。
「真澄チャン、あとで近所の公園で、一緒に紅葉見に行きませんか?」
「え? 紅葉狩り?」
「紅葉狩りってなんですか?」
「ああ、これは日本独特の単語ね。英語にしにくい単語ではあるね」
紅葉狩りは、無理矢理英語にすると「leaf peeping」と言えるだろうが、この単語は使わない方が良いかもしれない。peepingは覗き見するという性的なニュアンスもある。紅葉狩りは、「go see the autumn leaves 」と表現したが良いだろう。
他に「寒がり」など英語に出来ない単語は意外とある。日本語の単語を直訳するよりは、中学生レベルの文章で言い換えた方がいいものも多い。また、過労死、津波など英語化している日本語は、そのまま使っても悪くないだろう。カラオケという単語も英語化しているが、かなり発音は日本のものと変わってはいる。
「それってどういう誘い? 友達として? それとも女として?」
私は気になる事をハッキリと聞く。どうせ日本人的な「察して」は通じないし、ハッキリと聞いた方が良いだろう。
エディは、とてもバツが悪そうに、頷く。
「いや、まあ。女性として。たぶん」
「たぶん?」
ハッキリしないエディの物言いにイライラとする。
「Maybe? Probably? Perhaps? Possibly? この中だったらどれ?」
「おぉ、真澄チャン。英語勉強しすぎですよ」
エディは呆れたように苦笑する。
日本語で「たぶん」は一言ですむが、英語の「たぶん」は色々ある。
「Possibly」は可能性はかなり低い。Possiblyを使って雨が降るかどうか天気を予想したら、20〜30%の降水確率。
「Maybe」は50%、「Perhaps」は「Maybe」よりも可能性が少々落ち、フォーマルな言い方。
「Probably」はかなり確信がある場合に使う。確率的には、80%ぐらい。
エディは観念したように、小さく呟く。
「Probably……」
ネイティブらしく、とても発音が良かった。いつものエディの少々鈍っている日本語とは比べものにならない色気がある。
このギャプはズルい。私の心は、とてもドキドキとしてしてしまった。
これにて番外編も含めて全編完結です。
最後までご覧頂きありがとうございます。




