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38話 祈ってるよ

 ジャスミンと別れれ図書館を後にすると、まっすぐのクラリッサの屋敷n帰った。


 デレクのカフェやミッキーのパン屋に行ってもよかったが、あまり食欲もなかった。


 クラリッサの屋敷の門のそばにあるポストを確認すると、なんとミシェルから手紙が届いているのに気づく。


 そういえば事件調査中にミシェルに手紙を書いていた事を思い出す。返事が来るとは思わなかったので、余計に嬉しい。


 すぐに自分の部屋のいくと、丁寧に手紙の封を切り、中身を読みはじめた。


 封筒や便箋は花柄で可愛らしい。意外とミシェルも乙女チックなものが好きなのか、私に合わせてそんな便箋にそたのかはわからないが、手紙はメールやLINEでは味わえない喜びも感じる。やっぱり便利な文明は良いこともあるが、不便だからこそ味わえる温かみもあるようである。


 手で書かれた文字も味があり、読んでいると少し泣けてきた。内容もしんみりとしてしまうものだった。


 ミシェルは王都の教会で牧師として奉仕を始めたが、そこのいる親のいない孤児に手を焼いているようだった。アビーとジーンが可愛いレベルとまで書いてある。それを思うと、よっぽど手を焼いている事が察しられる。


「子供の心を開くのは難しいな。マスミも学校の先生やっていたなんて本当に尊敬する」とまである。


 この未ミシェルの文を見ていたら、強烈に否定したくなってしまった。


「私はそんな良い先生じゃない…。最低だった…」


 最低?


 突然そんな言葉が、ぽろりと口から溢れた。


 そうだ、自分は仕事に自信など全くなかった。よく思い出せないが、綾本の顔がはっきりと頭に浮かぶ。再び頭痛に襲われてしまう。


 痛みを感じる中でも、どうにか綾本との記憶を思い出した。


 最後にあった時、綾本を軽くあしらってしまった。仕事が立て込んでいて忙しく、イライラしていた。つい、綾本に「もう話しかけないで。自分で何とかしなよ」といった。確か綾本は、家族の事などを悩んで私に相談していた。でも、急に綾本と接するのがしんどくなってしまい、否定するような事を言ってしまった。


「その後、綾本はどうしたんだっけ?」


 思い出そうとしたが、強い頭痛はきて無理だった。でも、その後綾本を傷つけたと後悔が襲い、次の日に謝ろうとはしていた。でもできなかった。


 代わりに数時後、綾本の家族という男が来た事は覚えているが、その人物の顔が思い出せない。その男は何かとても怒っていたが、何故そうだったのかも思い出そうとしたら、また頭痛に襲われた。


 ふと、涙が溢れる。


 なぜかわからないが、綾本とは二度と会えない気がした。この世界が本当なのか夢なのかはわからないが、綾本の事を思うと胸が押しつぶされる。


 どうにか涙を拭い、正気を取り戻してミシェルの手紙を読み進める。


「マスミも色々大変だと思うけど、頑張れよ。まあ、頑張んなくてもいいか。聖書では、あんまり人間が頑張れよとか言って無いんだよね。マスミにも神様の御加護があるように。祈ってるよ。God bless you.」


 ミシェルの手紙を読んでいたら、再び泣けてきた。


 本当に神様がいるのなら、私はどうしたら良いのだろう?


 祈り方などわからないが、私はとにかく祈り続けていた。

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