27話 実現不可能な夢
私はその夜、改めて杏奈先生の手帳や事件ノートを読み直していた。
今日は移動が多く、全力疾走して疲れたが、すぐ眠ってはいられない。
手帳には真新しい情報はなかったが、事件ノートのコリンの奥さんの事件の所を読み直す。
杏奈先生も特にこれといった推理はしていないようで、手当たり次第怪しい人物の家に不法侵入して調べていたようだった。
カフェを経営しながら、事件解決までする杏奈先生のバイタリティはけっこうすごい。この土地の食べ物はもちろん、警察の杜撰さもバカにしている記述も多く、杏奈先生の中で何かが火がついているらしかった。
問題の霧の森の不審な空き家は偶然見つけたようだった。しかもコリント一緒のイースターエッグを見つけ李イベントのついでに見つけていた。結局イースターエッグは見つけられなかったが、重大な何かを見つけたらしい。
杏奈先生はカンも冴えていたようで、空き家のそばの庭をほじくり返していた。そこで何かを見つけたらしいが、肝心なところはインクが水で滲んで読み取れない。
一緒に杏奈先生とこの空き家に立ち入ったコリンに事情を聞くのが一番早そうである。
こうして事件については、今日調べる事が終えてしまうと、この世界の謎について悶々と考えていた。
今日のメイジーの言動もやっぱりこの世界が夢である事を示しているとしか思えなくなる。
どうやって元の世界に戻れるのか?
その点はさっぱりわからないが、この世界にいられる時間も短そうである。
杏奈先生の手帳をもう一度読み直してみたが、それについての手がかりはないようである。
私はため息をつき、机の引き出しからリリーの雑貨屋で買ったキノコ柄のレターセットを取り出す。
英英辞典をチラ見しながら、ミシェルに手紙を書き始めた。
ミシェルへ
久しぶりです。
牧師になったと聞きましたが、そちらの生活はどうですか?
私は二つほど壁にぶち当たっています。
この村で再び殺人事件が起きました。
転移者の男が被害者で、私も調査中ですが、犯人の一人に逃げられてそまいました。ニムロデという男です。
たぶん、そにうち新聞などでも報道があると思いますが、何か気づいた事があったら、教えてくれると嬉しいな。
もう一つの問題は、信じて貰えないかも知れないけれど、この世界が夢ではないか?という疑惑を持っている事です。何でこんな疑惑を持ち始めたのか、話は長くなってしまうのですが、村の人達も何か隠しているみたいです。
ミシェルが何か知っていたりする?
たぶん、この世界には長くいられないような予感もしています。
ミシェルが最初口が悪くてビックリしましたが、あの事件のときチェリーを真っ先に助けて見直しました。
この世界の村の人達は、まるで夢のように良い人ばかりです。
私はそんな世界に本当にいても良い、最近疑問にも思っています。
長々と変な手紙を書いてごめんなさい。
また、ミシェルにも会いたいですね。
マスミ
手紙を書き終えると、さすがに今日の体力的な疲れがどっと襲い、ベッドの潜り込んだ。
すぐ瞼が重くなり、眠りに落ちる。
また、夢を見た。
夢かもしれない世界なのに、眠っている時もきっちりと夢を見るのだからおかしいなものだ。
夢の中では、私と牧師さん、それとアビーとジーンがいて、綺麗な湖のそばでフルーツサンドを頬張っていた。
まるで本当に家族のようにピクニックうぃしていた。あまりにも平和な夢で、逆にとても寂しくなってしまった。
こんな平和な光景は、二度と現実には起きないようなきがした。




