表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

【第二話】いざ転移!



「おお 杉野哲也!しんでしまうとはなさけない!」




・・・目の前に変な爺さんがいる。


この真っ白な空間にはその爺さんと俺の二人しかいない。


どう足掻いても質問はこの爺さんにするしかないようだ。


(今聞くべきことは・・・ここは何処なのか、あんたは誰なんだという事かな。ん?そういえばなんで俺の名前を知ってるんだ??)


「一つ目の質問じゃが・・・。ここはフリマアプリ『ドラカリ』の運営本部じゃよ。そして二つ目と三つ目の質問はわしは神じゃからな!ほっほっほ!!」


爺さんが朗らかに笑う。


(ん!?なんだこの爺さん。人が尋ねる前に喋りだしたぞ。ボケてるのかもしれない・・・やっぱり関わらないでおこうかな?)


「ボケてなんかないわい!!!神の力で心を読んだのじゃ!まったく、ボケ老人扱いしよって・・・。」


(俺そんなに言いたいこと顔に出てるかな・・・ポーカーフェイスな方だと思ってたんだけど。というかさっきドラカリの運営って言ったか??)


顔をムニムニと触りながら考える。


「じゃから心を読んだと言っておろう!なぜ信じんのじゃ!」


(疑り深い性格なもので・・・。)



「・・・まあ良い。そうじゃ、なんたってドラカリの創設者はこのわしじゃからな!!ほっほっほ!」


(ドラカリってあのドラカリ??俺が使ってたやつ??社長はこんな爺さんじゃなかったと思ったんだけど・・・。)


「そうじゃ、お主が使っておったドラカリじゃ。あれはわしの神力でそういう認識にしておっただけじゃよ。ドラカリの会社も認識を変えておったからの、本当はこの神界が本社じゃ。今は就業時間じゃないから、わし以外誰もおらんがの。」


(神パワーすげー!というかここ神界ってとこなのか。)


「やっと神と信じたか。じじいなどと呼びおって。」


(あ、そんなところから聞こえてたんだ。ごめんごめん。)


「ところでお主はまったく喋らんのじゃな。わしだけ喋って変な神みたいじゃろう。」


(会話できてるなら良くない??)


「まあ良いのじゃが・・・。」


(それでなんで俺をここに呼んだの??)


「ん?お主は呼ばれたわけじゃないぞ。死亡した際に魂がここに迷い込んだようじゃの。」


(迷い込んだ??)


「うむ、死ぬ前にドラカリのことを考えておったじゃろう。普通の人間ならば、死ぬ直前までドラカリの事を考えるやつはおらん。多分じゃが、それで魂が迷い込んだのじゃろうな。」


(それじゃあ俺はここから何をすればいいんだ??)


「そうじゃな、お主への選択肢は三つある。」


(三つ?)


「まず一つ目、このまま成仏する。わしが魂を天界へ送って輪廻の中に戻ることじゃな。」


(うーん、それ以外の方法があればそっちがいいかな。出来ればまだ生きていける選択肢があればうれしいんだけど・・・。)


「わかっておる。ただの選択肢の一つじゃ。」


「二つ目じゃ、このドラカリ運営神界本社で働くことじゃな。」


(え!?俺でも働けるの?神の力なんて持ってないよ??)


「うむ、人数不足での、いつでも人材募集しておる。人間でも普通に出来る仕事じゃぞ。週休二日制で保険もあるホワイトな会社じゃ。月給はなんと!30万ドラ!!」


(うん、ごめん、30万ドラで何が出来るのか分かんないんだけど。)


(あと死んでまで働きたくはないかなぁ。とりあえずは保留で三つ目の選択肢を聞こうかな。)


「三つ目の選択肢はわしの創った世界『ドラール』で暮らすことじゃな。」


(え、なにその選択肢、なんか裏がありそうで怖いんだけど・・・。)


「裏なんてないわ!」


(ごめんごめん、それでそっちの世界に行って何をすればいいの?)


「ん?特にすることはないぞ。好きに生きてよい。」


(話がうますぎるんだけどホントに裏ない??)


「だから裏なんて・・・・。もうつっこむのにも疲れたわい・・・。」


(なんか使命みたいなのとかないの??)


「使命がないわけではないのじゃが・・・。お主を転移させるとき、『ドラール』に足りなくなってきてる魔力を地球から補充するんじゃ。地球では魔力が使われてないからの。転移することが使命みたいなものじゃ。転移した時点で使命が終わってるといった方が正しいの。」


(なるほど、だからそんなにうまい話が出来たんだ。)


「どうじゃ?どれにするか決まったかの?」


(三つめが一番良さそうなんだけど、魔法がある世界なんだよね?)


「うむ、魔法がある世界じゃ。」


(戦闘とかあんまりしたくないんだけど・・・)


「大丈夫じゃ、転移者特典でそれなりのチートというもんを付ければ良いのじゃろう。わかっておる、わかっておる。安心せい。」


(いや戦闘そのものがもう懲り懲りなんだけど・・・。チートはいらないから丈夫な身体がもらえればそれでいいよ。)


「お主は無欲じゃの。本来はスキルを選ばせるのじゃが、今回は特別にこのわしがてきとーにスキルを見繕ってやろう。死なれても困るからの・・・。」


(いや、じゃあ選ばせてくれよ。)


「ほらこれと・・・・これじゃろ。お!これなんかもおもしろいの!ほいほいっとな!」


(爺さんなんか楽しんでない??心配なんだが・・・。)


「心配せんでも良い。お主が嫌がるようなスキルは付けておらん。まあ今は何を付けてか言わんがの!がっはっは!!」


(なんだこのじじいpart2。ぶっ飛ばすぞ。ほらこれも聞こえてるんだろ。)


「あー、聞こえん聞こえん。はいはい、そろそろ転移の時間じゃよ。」


俺の身体が光り輝きだす。


(ちょ、爺さん!まだいろいろと聞きたいことがあるんだが!あんたの名前も聞いてないし!)


「おおそうか、言っておらんかったな。わしの名は創造神ドラトナス。では杉野哲也よ、さらばじゃ!」


(まだ新しい世界のこととか聞きたいんだが・・・。)


俺は透けてきた身体を見て諦める。




「・・・爺さん。ありがとな。」



哲也の身体が完全に消える。


「ちゃんと喋れるではないか・・・。」


「さて配送の続きじゃ!まだまだ仕事が残っとるわい・・・。やっぱり働かせれば良かったかの??」











「・・・・・ん???」


目が覚める。今度は真っ白い空間ではない。辺りは緑に囲まれている。


「ここは・・・・・?」





こうして杉野哲也の異世界転移生活が始まったのだった。














評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ