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アルヴィン学院到着

入学の日。新しい制服に身を包み、アンリと向かい合って座って馬車に揺られながらティナーヴはいつになく緊張していた。

もちろん今まで努力をして教師からも高評価だったが、ティナーヴ1人なので他に比べられる事がなかった為、実際学院ではどの程度なのだろうか急に不安になってきてしまった。

一週間前の余裕はどこに置いてきたのか。誰か持ってきてと言いたい気持ちである。

膝の上で両手を固く握りしめて、うつむいて少し震えているティナーヴにアンリは手を伸ばし手をそっと包み込みながら

「大丈夫ですよ。ティナお嬢様。先生方の評価は間違っておりません。お嬢様は優秀です。自信をもって学院へ入学してください。」

と力強く励ました。

ティナーヴが顔を上げると相変わらず目元は見えないが優しい口元にティナーヴも笑顔になる。

「ありがとう。うふふ、やっぱりアンリからはティナって呼ばれる方がしっくりくるわね。」

いたずらっぽい笑みに変えながらティナーヴが言うと、アンリは少し恐縮した感じになるが嬉しそうに頷いた。

ティナーヴがいつもの調子を取り戻し他愛のない会話をしていると、ゆっくりと馬車が止まり戸が開かれた。


初めて見たアルヴィン学院は一言で言うと、城。

王立で王族の姓を冠しているだけあって、王城の少し小さい版ようだ。

自分の身長の5倍ほどの高さのある門が開いていて、圧迫感がすごい。

貴族も平民も関係なく能力のみが入学基準の学院なのでマーク先生が勤めている学校より少し豪華かな?くらいと思っていた。

そのためポカンと見上げてしまい、正直、うわぁ、なんか学校っぽくないなぁ、門とか重そうで開け閉め大変そう・・・。

と侯爵令嬢らしからぬ感想を抱いていた。

アンリはポカンとしているティナーヴの耳元に小声で

「ティナお嬢様。皆がこちらを見ていますよ。」

と囁くように言うものだから、ティナーヴはビクッとして少し挙動不審になってしまった。

ティナーヴ本人はかなり大げさだと思っていたが、周りからはポカンとしていたのもビクッとしていたのもあまりわからない程度だったらしい。

実際、美しいプラチナブロンドに美しいグリーンの瞳、美しい所作の侯爵令嬢にそこにいるすべての人達が釘付けになっていた。

ティナーヴはそれが自分の恥ずかしい態度のせいだと勘違いして慌てて門をくぐろうとしたが、アンリに軽く腕を引かれ目で「落ち着いて、いつも通りに」と伝えると共に頷かれれば心はすっかり落ち着いて、こちらを見ている人達に向けてお辞儀をし、ゆったりと講堂へ向けて歩きだした。



学院に到着しただけで終わってしまいました。

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