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レッスン2日目、3日目

2日目はダンスレッスン、ギルバート。クセのある金髪を後ろで軽く束ねて、誰もが見とれるような美しい彫刻のような顔。以前は騎士団に在籍していたとあって細身ながらも鍛えられた身体。

ティナーヴもあまりの美しさにガン見してしまっていた。淑女には程遠いティナーヴは、それはもう、目で穴をあけてしまうのではないかというくらいのガン見だった。

「初めまして、ティナーヴ嬢。ギルバートと申します。」

笑いをこらえてギルバートがあいさつすれば、ティナーヴが慌てて

「初めまして、ティナーヴ・アル・プレイシャスと申します。わたくしからご挨拶しなければならないところですのに、お恥ずかしいところをお見せしてしまいまして・・・」

恥ずかしさに真っ赤になり語尾が消え入りそうに挨拶すると、

「いえいえ、そこまで見られてしまうと、いっそのこと清々しいです。」

と明るい笑顔で返してくれた。


マチルダ同様ギルバートも先生とお呼びさせていただくことになり、早速レッスンが開始された。

ギルバートもさすが評判がいいだけあり、レッスンの方法も合理的だった。

ダンスに必要な基本の歩き方にしても同じことの繰り返しではこの年齢の子供では飽きてしまうと

方法を変えたり、時間の区切りを短くして休憩を入れるタイミングを計ったり、物を使って体をたくさん動かすようにしたりとこの日もあっという間に過ぎていった。


そしてレッスン終了の時間。昨日のマチルダの言っていたことを思い出し

「ギルバート先生、今日は1日ありがとうございました。」

と、笑顔で挨拶をした。

ギルバートが優しい笑顔でティナーヴの頭をそっと撫でて帰り、2日目が終わった。


3日目は一般教養他の勉学、マーク。丸眼鏡が印象的で優し気な初老の男性。学校の先生だけあって知的な雰囲気を醸し出している。

「マーク先生。初めまして。ティナーヴ・アル・プレイシャスと申します。この度は無理を申しまして引き受けてくださりありがとうございました。」

「初めまして。プレイシャス侯爵令嬢。マークと申します。私のような平民のものをお引き立て下さり、こちらこそありがとうございます。・・・ですが、本当に私でよろしいのでしょうか?」

マークが恐縮しながらティナーヴに言ったが、

「わたくしは、マーク先生に教えを請いたいと思い。お父様にお願いしたのです。マーク先生が何故そのようにおっしゃるのかわからないのですが・・・?」

ティナーヴは何を言っているのかわからないというように言った。マークは目を瞠り

「さすが。プレイシャス侯爵家は皆さま身分も何も分け隔てなく、本人の能力のみで判断するというのは本当だったのですね。わかりました。私の出来る限り精一杯お教えいたしましょう。」

と7歳の少女に向けるにしては少し重めの尊敬のまなざしを向け、マークは言い強くうなずいた。


マークは1日2時間ほどしか時間が取れないがほぼ毎日来てもらえることになっている。

マナー・ダンスレッスンがある日は授業のみ、ない日は授業後に宿題を出してもらい勉学に勤しんだ。

マーク先生は平民相手に多人数に教えているだけあって教え方に柔軟さがある。

わからないところはわかるようになるまで色々な角度で説明をしてもらえる為、わからないまま次に進んで後でよくわからなかったり、嫌になったりすることが全くない。

知識も豊富で平民のことだけでなく、貴族社会にも詳しくてわざわざ貴族の先生を新たに迎えなくても十分な教養を身に着けることが出来た。


ティナーヴは3人の素晴らしい先生と共に努力し、どこに出しても恥ずかしくない立派な淑女に出来上がった。




2日目と3日目を一緒にしたので少し長くなりました。

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