ディオルへの報告
ティナーヴが就寝準備に入り、いつものお茶をセッティングしたら今日は早めに下がらせてもらった。ディオルのところに行くためだ。
いつもならティナーヴが眠りについたのを確認してからディオルの元に行き報告しているが、今日はティナーヴの許可を貰ってるので早めに出発した。
執務室に入るとディオルが顔を上げ険しい顔で聞いてきた。
「何があった。」
「さすがディオル様です。少し困った事が起こりました。」
アンディはティナーヴの手紙をディオルに渡した。
ディオルは受け取ると丁寧に封を切り、中の手紙を読むと舌打ちした。
「花畑な令嬢の中でもグッドウェル伯爵令嬢は唯一まともで、将来的に殿下に充てがうのに最適な人材だとは思っていたが、まさかこんな行動に出るとは思わなかったな。大人しい令嬢が追い詰められると思いもよらない事をする。」
そのあとニヤリと笑い
「殿下の闇に気づいて尚、好意を寄せているのは好都合だ。益々殿下に似合いの令嬢だと確信が持てたな」
顎に手を当てて何か考えている。・・・少しして
「とりあえず、ティナには殿下の相談にのっても良いが必ずお前が同伴するようにと伝えてくれ。友人たちが一緒でも必ずだ。殿下が近くにいる時は目を離すな。」
「かしこまりました。」
「それと、ティナの手紙は読んだのか?」
真面目な顔から一転してニヤつきながら聞いてきた。
「いえ、滅相もございません。」
主人であるティナーヴの手紙を読むなんてありえない事だ。書き終えてすぐ封をしてもらいそのまま持ってきただけだ。
ディオルのニヤニヤは止まらず「まあ読んでみろよ」と手渡された。
ディオル以上に丁寧に手紙を開き読んでみると顔から火が出るようだった。ティナーヴはわかる限りのことを状況も合わせて丁寧に書いていた。改めて思い出してみると、あの時はアンリだったのであんなにむきになる必要はなかった。しかもティナーヴを差し置いて。でも止められなかったから仕様がない。ティナーヴはさぞかし驚いただろう。更にティナーヴがその場にアンディがいないからだと思うが、自分の事を思って言ってくれた告白めいた言葉は嬉しかったが、恥ずかしくもあった。
ティナーヴの手紙をそっとしまって、まだ赤い顔のままディオルに返した。
ディオルはまだからかいたそうだったが、顔上げずにそのまま執務室を辞した。
今日は色々あったが、ティナーヴがスチュアートに関してこれっぽっちも気が無いこということがわかって、結果、良かったのかもと思いながら寮に戻って行った。
いつもお読みいただきありがとうございます。
アンディ&ディオルの回は書いていてとても楽しいです。




