休暇が終わって
衝撃の事実から数日が過ぎ、ティナーヴとアンディは寮に戻ってきた。
久しぶりに2人だけになり、ティナーヴは少し緊張してはいるがあの日のように取り乱したりはしていなかった。
「長いようで、短い休暇だったわね。」
ありきたりなことをのんびり話すティナーヴにアンディは優しく微笑んだ。
「そうですね。終わりがけは体調不良で少し心配しましたが何事もなくて良かったです。」
今度はティナーヴが苦笑いした。
休暇が終わり、久しぶりに登院した。今日はガイダンスのみなので昼からはゆっくりと過ごす予定だった。2人で東屋にでも行こうかしらと考えながら大通りを歩いていると後ろから声をかけられた。
「あのっ すみません。プレイシャス侯爵令嬢でいらっしゃいますか?」
振り向くとそこには可愛らしい少女が申し訳なさそうに上目遣いでティナーヴを見ていた。
アンディがすっとティナーヴとの間に入る。良くできた侍女である。
キャラメル色のふわふわの髪にブルーグレーの瞳。華奢な庇護欲をそそられる美少女だ。
面識はないが名前ぐらいは知っているので
「グッドウェル伯爵令嬢ですよね?確かにわたくしはプレイシャスの者ですが、何かご用かしら?」
「大変失礼いたしました。本来なら私から名乗らなければならないですのに。セシリー・アル・グッドウェルと申します。」
セシリーと名乗った少女は礼儀を知らないわけではなさそうだった。かなり切羽詰まった事情があるようで本来ならこのような出会いではなかっただろう。美しくお辞儀をして非礼を詫びてきた。続けて
「プレイシャス侯爵令嬢に折り入って相談したいことがあるのですが、お時間いただけないでしょうか?不躾なお願いで大変申し訳ございません。」
格上の人間に突然話しかけ無理を言ってきているので断ってしまっても構わないのだが、セシリーの悲愴感漂う姿にティナーヴは
「わかりました。今日でしたら午後から空いておりますのでそれでよろしければ。」
と返答した。セシリーは「是非お願いいたします!」了承し、昼食後に学院のテラスで待ち合わせとなった。
アンディが心配して「よろしいのですか?」と聞いてきたが、軽く頷くとその場を後にした。
教室に着くとマーガレットとリエラが声をかけてくれた。
いつも通りの変わらない2人を見ると心が安らいだ。
スチュアートはちらりとこちらを見たもののやはり話しかけてこなかった。
ガイダンスが終わり少し早いが皆で食堂へ行くことにした。話しを聞いてもらうためだ。
ランチメニューをそれぞれ注文しゆったりと食べながらティナーヴが話を切り出した。
いつもお読みいただきありがとうございます。
アンディをアンリに戻せなくなってしまいました…




