衝撃の事実
パーティが終わればすぐにテスト準備期間に入った。来年度のクラス分けにも影響が出てくる休暇前テストに、個々が周りの事に構ってられない状態になったのでティナーヴもスチュアートの事が気にならなくなった。
ティナーヴ達も上を目指して全力で取り組み3人とも1つ順位が上げることが出来た。
ディオルの話をした後からスチュアートが一切近づいてこなかったのが少し気にはなっているものの、きっぱり断ったのであきらめてくれたのだと思うことにした。
マーガレットやリエラとおしゃべりや買い物を楽しみながら過ごし、夏季休暇に入り屋敷へ戻った。
夏季休暇中はマーガレットが遊びに来たり、リエラを招待したり、また、ティナーヴからも2人の所に足を運んだりして楽しい時を過ごした。
夏季休暇も終わりかけのある日の午後、ティナーヴとアンリがいつものように庭を散歩していると大きな虫がこちらめがけて飛んできた。ティナーヴが驚いて体をひねった時にバランスを崩し、運悪く噴水の横だった為、助けようとしたアンリもろとも豪快に飛び込んでしまった。
びしょ濡れになった2人は顔を見合わせ吹き出し、たまらず大笑いした。
ひとしきり笑いあっていたが、夏といえども噴水の水は冷たく、そろそろ出て着替えないと風邪をひいてしまう。そう促されティナーヴが噴水から出て何気なく振り返ったところ、
・・・見てしまった。正確に言うと見えてしまったなのだが、腰のところにある星形のアザを・・・。
ティナーヴは息が止まりそうになった。そのあとどうやって部屋に戻って着替えたのかもあまり記憶にないぐらいに。
アンリの服はほかのメイド服と違って上下に分かれていて、無意識に上の服を持ち上げて絞っていた。それは一瞬だったのだが、見間違えるわけがなかった。
アンディだ。やっぱりアンリはアンディだったんだ。
女性にしては背が高く、がっしりしていて声も低い。
もちろん、そんな女性はたくさんいる。ただ、彼の所作は美しいが時折女性とは違う力強さや仕草、ティナーヴに対する態度に違和感を感じていた。
・・・どうしよう。どうしよう。どうしよう。
頭の中が混乱している。
でもまずは気づいていることを気づかれないようにしなければいけない。でないとアンディが学院に居られなくなるかもしれない。
ティナーヴに黙っているということは同室になることをティナーヴがアンディを女性と思っているから許してもらえていると考えた。
と、言うことはティナーヴがアンリ=アンディと気づいてしまったとばれてしまったら、アンディは侍女でなくなるかもしれない。更にはティナーヴから離されてしまうかもしれない。
せっかく会えたのにまた離されるのは絶対に嫌!
幸いアンディはティナーヴが知ってしまったことには気付いていないようだ。あと2年と少し、知らない振りをして卒業と同時に知っていることをばらし、婚約をしてしまおうと心に誓った。




