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ディオルの回想

パーティは案の定ティナーヴが注目の的だった。

見た目の美しさもさることながら、新入生とは思えない精錬された所作。制服でこれならドレスでの参加だったら卒倒する男性も出るのではないか?若干兄バカ目線かもしれないが。それに加えエスコートは自分で言うのもなんだが社交界の超優良物件。となれば致し方ないだろう。

ティナーヴを友人たちに預けた後もディオルはティナーヴに悪い虫がつかないようにうまく立ち回っていた。

パーティの間、スチュアートは何もしかけてこなかった。話しかけも、近づいてさえも来なかったのでかえって不気味だが今は様子を見ることにした。

外で待機しているアンディと会場の様子を話しつつ、今後の事を軽く打合せして当日は無事終了した。


アンディからの定期報告はティナーヴから手紙をもらった時から回数を増やした。

ティナーヴと話した日、ディオルと話した日と同じなのだが、その日からスチュアートは全くティナーヴに絡んでこなくなったらしい。そのことにティナーヴは少し不安を感じているそうだ。

アンディも不気味だと話していた。


子供のころからスチュアートはふとした時に昏い目をしていた。気づいているのはどうやら自分だけのようで、スチュアートもその事がわかるのかそれもあって苦手とされているのかもしれない。必要以上に接してこなかった。


8年前、スチュアートが初めて近づいてきて更に話しかけてきた。

「ディオルには妹がいるそうだな。確かティナーヴと言ったか?とても美しいと聞いた。」

驚いた。どこかで聞きつけたらしい。

「おりますが、殿下にお目通りさせるほどの者ではございません。」

適当にごまかしてその場から退いたが、スチュアートに興味をもたれてしまったという焦り口調が出てしまったのだろう、ディオルが慌てて隠すほどの妹ということで更に興味を持たれてしまった感じがする。

対策をとらなければならない。頭の中に警鐘が鳴り響いている。周りがどれだけ素晴らしい人柄だと言っていようがスチュアートは危険だ。あの年で自分の昏さを隠すのが上手すぎる。本能でティナーヴと会わすのは危険だと判断し遠ざけていたのだが見つかってしまった。

今はまだいい。会わせないように自分が立ち回ることが出来る。

問題は学院だ。同じ年なので確実に逃げられない。

ぐるぐると頭を巡らせてたどり着いた答えが女装侍女アンリであった。



ディオル視点はとりあえず終わります

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