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相談

昼休み、ティナーヴ達3人とアンリ、マリーの5人が東屋で話をしていた。

ここは入学初日に来たあの東屋で、奥まっていて人気がないのでティナーヴ達のお気に入りの場所である。

「殿下の行動は目に余りますね。」

開口一番マーガレットが言うと

「私たち一緒の時もお構いなしというのはどうかと思います。」

リエラも乗ってきた。

「そうね。周りからはマーガレットとリエラも含めて雑談しているかに見えるような雰囲気を作っていて感心するぐらいね。」

呆れたような口調でティナーヴが答えた。

「来月のパーティに向けて動き出しているのでしょうね。1年生参加の初めてのパーティに是非ティナ様をパートナーにと、思っているのでしょう。」

アンリが冷静に話した。

入学して2か月後に新入生歓迎会を兼ねてパーティが開かれる。

平民も多く通っているためダンスやマナーの基本が身についた2カ月後に開催される。

因みに学院主催のパーティは学院の者なら誰でも参加できるように卒業パーティ以外は制服で参加が必須である。更にエスコートはあってもなくても構わないのだが王太子としてパートナーがいた方がいいという判断だろう。

平民にとっては2カ月学んだ成果を試すため、貴族子女には16歳でする社交デビューの為の前哨戦。

学院のほぼ全員が参加する大規模なパーティの一つのため新入生だけでなく上級生も気合を入れている。そこで出会いがあり婚約から結婚へという話もよく聞く。

「わたくし、マーガレットやリエラと参加したいのです。スチュアート様と参加なんて困ります。一度でもエスコートを受ければもう逃げられないような気がするの・・・」

ティナーヴは俯いて下唇をかみしめた。自分はアンディと一緒になりたいのに。

膝の上で握りしめて真っ白になっている手をそっとアンリがほどきながら

「ディオル様にお願いするのがいかがでしょうか?」

と提案した。ティナーヴがパッと顔を上げると続けて

「彼は学院の臨時講師もされていらっしゃいます。パーティの参加も可能のはずです。生徒のエスコートは基本禁止されていますが、婚約者とご家族は良いと聞いたことがあります。」

希望に満ちた目でティナーヴはアンリを見つめると前髪の隙間から少しだけ見えるアンリの瞳が力強く見つめ返してくれた。

「でしたらすぐにでもお兄様にお手紙をかきましょう。・・・でもお忙しいですのにお願いを聞いてくださるかしら?」

「ティナ様のお願いでしたら何が何でも来てくださいますよ。」

確信に満ちた顔でアンリが首肯し、ほかの皆も力強くうなずいて応援してくれた。

日常の対応はティナーヴは1人にならないことだけに気を付けて、あとはディオルの返事を待ってから対応を改めて考えることにして、東屋を後にした。


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