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学院生活 1

入学して1カ月が過ぎた。

ティナーヴもすっかり学院に慣れ、模範生として皆の羨望を集めていた。

平民トップのリエラとも友達になることができ、休み時間だけでなく休みの日も市中へ出かけたりと充実した学院生活を過ごしていた。

ただ1つの問題を除けば・・・。


「ティナおはよう。今日は早いわね。」

「マーガレットおはよう。早く目が覚めたからいつもより早く出て学院をお散歩してから来たのよ。気持ちよかったから、マーガレットにおすすめよ。」

「そうなのね。私も今度してみようかしら。学院はとても素敵なところが多いですものね。」

2人はすっかり仲良くなり、敬称なしで呼び合えるようになっていた。

「おはようございます。ティナ様、マーガレット様。」

「おはよう。リエラ。」

リエラにも呼び捨てで呼んでもらいたいのだが、平民の彼女には敷居が高すぎるらしく、様呼びでお願いしたいと懇願された。意思を尊重して、様もひっくるめて愛称と思ってそのままにすることにした。

「お二人とも朝が強いのですね。私など寝る方を優先してしまいます・・・。」

「リエラは夜型ですものね。遅くまで勉強頑張っているもの。もし、起きることが出来たら気分転換にやってみて。」

「はい、その時には是非!」

3人で朝の挨拶と雑談をしているとツカツカと軽快な足音が聞こえてきた。

「やあ、ティナーヴ嬢!今日も麗しいね。」

「スチュアート様。おはようございます。いつも通り。わたくしはいたって普通ですよ。」

「では、いつも麗しいのだね。今日はいつも以上に麗しい。」

「そうですか。ありがとうございます。」

毎日のように褒めたたえてくるスチュアートに半ばうんざりしながら適当に相槌を打つ。

はじめの方は無礼があってはいけないと丁寧に対応していたがあまりにしつこいので適当になってきた。

どうやらティナーヴはスチュアートにとても気に入られたらしく、毎日時間があれば話しかけてくる。

時間があればとはスチュアートの時間の事でティナーヴが1人でいるときも、友達といるときもお構いなし。今日も3人の時間を邪魔されてティナーヴは少し怒っていた。

ただ、適当にあしらっているのに見目の良い2人との会話は周りから見ればほほえましく映っている。

今日もティナーヴは不機嫌なのだが見た目にはわからない為、今日のお二人も楽しそうね。という感じで見られている。

こんな時にも淑女教育が役立ち(?)、美しい微笑みと佇まいで対応しているのだから、周りにもスチュアート本人にも好印象だと思われているのが口惜しい。

更にスチュアートも先生、学生、身分関係なしの人当たりの良さに皆から人気を博しており、まさにお似合いの2人とされている。

婚約まで秒読みだと言っている人もいるくらいだ。

ティナーヴはほとほと困り果てていた。王太子妃になど絶対になりたくない。自分はアンディと一緒になるんだとは思っていても、侯爵家の娘である限り政略結婚をさせられても文句は言えない。もし、スチュアートが自分を婚約者にと言ってこられたら、アル王国の家臣としてお父様は断り切れないだろう。

中途半端ですが一旦ここまでで

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