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ただ、そばにいたかった  作者: 茉莉花
4/5

初めての帰り道

──ホームルーム後──




「ねぇ、汐梨ちゃんだよね?良かったら一緒に帰らない?」



実は私は、何人か一緒に帰らない?と誘われたのだがどうしても今日だけはあの自己紹介で気になってた森崎汐梨ちゃんと帰りたかった。


ごめんね?と私が申し訳なさそうに謝ると誘ってくれた子達は笑顔でそっかー、バイバイ!と手を振ってくれた。

優しそうな子達であの子たちとも仲良くしたいな、と思えた。




そうして私は、帰り支度をしていた汐梨ちゃんに声をかけた。



「え、私?」



キョトンとした表情で汐梨ちゃんは私を見つめる。無理もない、本当に突然声をかけたのだからびっくりするだろう。




「うん、一緒に帰りたいなと思ったんだけどダメかな?」


「全然いいけど……」


「やった!ありがとう!」


満面の笑みでそう言うと汐梨ちゃんも優しく微笑み返してくれた。




「どうして私を誘ってくれたの?」




初めての帰り道。校門を出てすぐに汐梨ちゃんに聞かれた。



(私も本当はよく分からないんだけどね……)


本当に何故、彼女に惹かれたのかが分からない。話したこともないし、特別可愛い訳でもない。こんなことは初めてだ。



「正直なことを言うと直感なんだよね……」


「直感?鈴菜ちゃんって面白いんだね」


笑って彼女の切れ長の目がさらに細くなった。私も、そうだよねーっと笑って返す。


「鈴菜ちゃんみたいな可愛い子に誘われてびっくりしちゃった」


「えへへ、本当は他の子に帰ろって誘われたんだけどね」


どうしても汐梨ちゃんと帰りたくて、と付け足すと彼女はまた笑った。



駅までの15分間の帰り道の間に私は彼女の事を色々知れた。

小学生の妹がいること、ピアノをやっていること、動物が好きなこと……などなど。



「あ、私の事呼び捨てでいいよ。汐梨ってよんで!」


「OK!私のことはすずって呼んで!」


呼び捨てで呼び合う仲にまでなっちゃった。


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