表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ、そばにいたかった  作者: 茉莉花
2/5

入学式

私は、春が大好きだ。


なんだか可愛らしいイメージがあるし、暖かくて過ごしやすい。

出会いの季節ともいうし、なんだかワクワクする。



「あ、桜が咲いている」

数える程しか来たことの無い、けれどこれから毎日通う高校の前で私は立ち止まった。


パステルブルーのスマホを取り出しカメラを起動して写真を撮る。

桜と私のツーショット写真だ。



(うんうん、可愛く撮れてる)

そう思いながら私は慣れた手つきで自分の顔を加工していく。

肌を少しなめらかにして、目にはもうちょっと煌めきを。



最後にふんわりとしたフィルターをかければ完成だ。



上手く写真を取れた私はうきうきしながら校門をくぐった。



周りには私と同じような背丈の子が沢山いる。



(きっと新入生なんだろうな)

そう思いながら学校の中に足を踏み入れていくと新入生集合場所である講堂についた。






(うわ、広い…)

足を踏み入れた講堂はまるで学校ではないかのような煌めきを放っていた。



天井には小さなシャンデリア、壁には天使の絵が飾ってある。

椅子もふかふかだ。



さすが私立、と思いながら席に座ると周りの新入生が自分のことをチラチラ見ていることに気づいた。



(あぁ、またか)

皆が私を気にしている理由は分かっていた。

それは私が「かわいい」からだ。



柔らかく腰までウェーブした茶髪、小さくて丸い顔、赤い絵の具をほんの少し垂らしたかのような頬に、透明感のある瞳。



(気分は悪くないけど、ね)

小さい頃から周りにもてはやされて生きてきた私にとって「注目される」ことは苦ではない。なんなら心地いい。




「ブーーーーー」



そんなことを考えていると開会を知らせるブザーが講堂に鳴り響いた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ