【出オチ系転生小説】アニメで死ぬ美少女キャラを救うために転生した俺≪10本立て≫。
すぐ読める出オチコメディです。
『CASE1』
そして俺はアニメの世界に転生した。
喰われて殺される魔法少女を救うために。
転・生・完・了!
俺って何に転生したんだ?
なんだか口の中に『おいしい味』がするんだけど。
目の前でじたばたしている魔法少女のボディも見える。
→咀嚼する
吐き出す
俺はもう少し舐めながら考えることにした。
『CASE2』
そして俺はアニメの世界に転生した。
魔王に殺される女勇者を救うために。
転・生・完・了!
「ダークネス・デストロイ・クラッシャー!」
俺は『魔王最終奥義』を使って彼女を木っ端みじんにしようとしているところだった。
というか、もう振り下ろしかけてるし!
「ていやっ!」
俺は全力で矛先を上にそらす。
ゴゴゴーン!
危機一髪。
あやうく彼女に命中させるところだった。
「どうしてはずしたの?まさか?!」
「ああ、俺は君を助けに…」
「城ごと私を埋める気ねっ!」
「え?」
ズズズズズズーン!
魔王城が崩壊して魔王と彼女は仲良く死亡。
『CASE3』
そして俺はアニメの世界に転生した。
暴れ馬に轢き殺される名も無き少女を救うために。
転・生・完・了!
ヒヒーン?
俺が馬だと?!
まさか俺が彼女を轢き殺すのか?!
いや違う!
彼女を轢き殺すのは向こうから迫ってきている馬で、俺は彼女の近くに居た違う馬だ!
「ヒヒーン!」
俺は全力で迫ってくる馬に体当たりを掛ける!
「わ、私、助かったの?!」
良かった。これで彼女は救われた。
「ヒヒン(おい)」
ん?
「ヒヒンヒンヒン(なんて熱烈な求愛だ!俺、惚れちまったぜ!)」
は?
「ヒヒヒーン(交尾待ったなしだぜ!)!」
オス馬?って、まさか俺が転生したのってメス馬?
アーーーーッ!
『CASE4』
そして俺はアニメの世界に転生した。
オークになぶり殺される女騎士を救うために。
転・生・完・了!
「…ろせ!」
ちょい待ち!名台詞を言ったあとじゃないかっ!
やり直しを所望するっ!
『CASE5』
そして俺はアニメの世界に転生した。
オークになぶり殺される女騎士を救うために。
転・生・完・了!
「くっ!好きにしろ!」
そうじゃない!そうじゃないんだっ!
『CASE6』
そして俺はアニメの世界に転生した。
オークになぶり殺される女騎士を救うために。
転・生・完・了!
「くっ!殺せ!…ってなんで俺が女騎士に転生を?!」
『CASE7』
そして俺はアニメの世界に転生した。
病死する主人公の妹を救うために。
転・生・完・了!
「どんな病も治すチートを持って主治医に転生!さあ、診察してあげよう」
「はい、お医者様!」
ぺろん
「ぶはっ!」
いきなり服をめくられて純情な俺が死亡。
『CASE8』
そして俺はアニメの世界に転生した。
自分が死ぬと思い込んでいる主人公の妹を救うために。
転・生・完・了!
「あの最後の葉が散ったら、私は死ぬのね」
魔法で植物に活力を!見よ!暴風でも葉っぱが散ることは無いぞ!
「あの連載が終わったら、私は死ぬのね」
魔法で作品に活力を!見よ!新たなヒロインの登場だ!
「朝日が昇ったら、私は死ぬのね」
それはさすがに無理…じゃないぞっ!
禁呪を使って太陽が昇らない世界に!
そして世界は滅んだ。
『CASE9』
そして俺はアニメの世界に転生した。
主人公をかばって死ぬヒロインを救うために。
転・生・完・了!
「ジーク様!危ない!」
「リナ?!」
今まさにその瞬間だ!
視界が低いけど俺って何に転生したの?!
…真っ先に敵にやられた瀕死のモブだ!
動け、俺の体ああああああっ!
ザシュッ!
「うごあっ?!」
「お、お前は?!」
「モブさんっ?!」
「良かった、リナが無事で…」
「どうしてモブさんが私を?!」
「なぜ(ザシュ)なら(ザク)俺は(グリグリ)あなたを(ドシュ)助けに」
モブでも最期くらいしゃべらせろおおおっ!
『CASE10』
そして俺はアニメの世界に転生した。
毒殺されるお嬢様を救うために。
転・生・完・了!
「いただきますわ」
こく…
毒入りの紅茶を口に含んだっ?!
→キスして吸い出す。
腹パンして吐き出させる。
俺が転生したのは…彼女の執事のセバスチャンかよっ!
彼女に信頼されている執事として、キスとか腹パンなんてできるかああっ!
「お嬢様、わたくしめの顔を良くご覧くださいませ」
見よ!渾身の『変顔』をっ!!
「ブブーッ!」
こうしてお嬢様の命は助かり、乱心した執事はクビになった。
お読み下さりありがとうございます!