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5.お仕事

「今日から、Raffineで働いてもらうけれど、大丈夫?」


「はい、大丈夫です!」



 cloverに住み始めて2日目の朝、美樹さんに連れられて、Raffineへと向かいました。

 朝、モーニングコーヒーとパンの匂いが溢れる道。花に水をあげたり、窓を開けたりしている人たち。


 今日の美樹さんのコーデは、花の刺繍が入ったオフショルダーの白い服に、ジーンズ生地のスカンツです。

 一方の私は、透け感のある生地で白いミモレ丈スカート、ふわりとさせた淡い色のペプラムトップス。


 昨日と同じようにカランコロンと鳴らして店内に入ります。落ち着いた木々の色合いが落ち着いていてやっぱり素敵です。



「じゃあ、仕事内容の基本からね」


「はい」



 ぼーっとしている暇はなく、すぐに説明にはいりました。


 主な内容はこんな感じ。



────────


1.接客

商品やブランドに関する案内

コーディネートの提案


2.レジ応対


3.店内清掃


4.入荷商品の検品


5.品だし、商品整理


6.ディスプレイ変更、メンテナンス


────────



「乙葉ちゃんには、今日は接客を担当してもらうから」


「わ、分かりました!」



 接客と言っても、いらっしゃいませ、だったり、ありがとうございました!と声を出すわけではなくて、コーディネートの提案や商品のオススメをしたりもします。

 人見知りな私に出来るか、とっても不安…


 そうこうしているうちに、開店の時間。

Raffineには、色んなお客さんが来るけれど、ひとりひとりの好みや嗜好は全然違います。



「いらっしゃいませ!」


「乙葉ちゃん、どう?」



 そよかさん!

ぱっと笑顔になるのを感じます。

いい感じです、と笑ってまた接客に意識を向かせる。



「はい、こちら新作となります」


「そうね、どれと合わせたらいいかしら」


「昨年春のコレクションにある、こちらのパーカーなど如何でしょうか」



 美樹さん、すごい……

自分がカタログを見ているわけではないのに商品の魅力を分かり切っているなんて。



「あの」


「は、はい」



 私にとって初めてのお客さん!



「これに合うものって、ありますか?」



 お客さんの名前はエリカさん。

 着ていたのは、黄色いビスチェ。

その中にレイヤードしているのは爽やかな水色のブラウス。ジーンズ生地のスカーチョで引き締まった感じがします。



「こ…こちらは如何でしょうか」



 私が提示して見せたのは、黒いブラウス。

一見アンバランスに見えるかもしれないけれど、実は大人っぽさのでる組み合わせ。


 どうか、うまく伝わって……!



「黒いブラウス……?」



 訝しむような顔を浮かべて、服を見つめて、しばらくしてから試着すると仰ってくれました。



「どうですか?」



 少し高慢な、けれど誇り高くそう見つめてくる彼女がとっても綺麗。



「すごく、お綺麗です…!

この濃い色を黄色で引き締めて、かつ女性らしいこのふわりとしたスカンツのライン、エリカさんの茶色を基調にしたメイクとベストマッチしています!」



 そこまでいって、私ははっとしました。


 やってしまった……!!

お客さんには、購買意欲を削がせないよう語りすぎないのもマナーだとさっき言われたのに…


 エリカさんはにこやかに、そうかしら、といってくださいました。



「そうね…じゃあ、あとはこれもお願いするわ」


「ありがとうございます…!」



 初めての接客、成功したみたいで一安心です。でも、レジ応対もどきどき…



「はい、こちらで8953円となります」


「一万円いただきます」


「お釣り、1047円です」



 お預かりします、は文法的にあまりよろしくないそう。お預かりする、というのは一旦貰う訳で、返さなければならない貸借になってしまうからだそうで。



「ありがとうございました!」



 涙が溢れそうなくらい、嬉しい…!

美樹さんは遠目で見守っていてくれたいたらしく、順調にいっていることに嬉嬉として下さいました。



「じゃあ、一旦お昼に下がって」


「はい」



 そよかさんと、お昼を食べにいきます。

久々のこのお話を投稿です

不定期ですので、次の更新はまだ未定ですが、暖かい目で見守って頂けましたら幸いです


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