~prologue
それは、ある暖かい春の日から始まるお話。
私の名前は、小鳥遊乙葉
18歳、この春で大学生です。
小さな街で生まれ育った私は、
大学入学を機に
大きなレンガの街並みがあるシェアハウス
「clover」で暮らし始めました。
そこの住民は、
インテリアコーディネーターや
デザイナーを目指す、
夢に溢れる人たちが暮らしていました。
cloverの人たちはみんなあたたかくて
優しい、とても居心地が良いところです。
その中で私は、
夢や恋を学び、慈しみ、成長していきます。
───これは、私が夢を叶えるまでの物語。
♡♡♡
ひらり、花が舞って
ふわり、風がなびいて
きらり、朝陽が差し込んで
電車の窓から見る外は、
いつもと少し、違って見えた。
♡♡♡
「お母さん、わたしシェアハウスに入ろうと思うの」
「シェアハウス?」
うん、と私は頷きました。
大学の進学で家を探していた時に、たまたま見つけたシェアハウスです。
同じくらいの若い人たちで住み、リーズナブルな価格で部屋も自由にカスタマイズが出来る。
そんなシェアハウスの宣伝のポスターを見て、私はだんだんと心惹かれていきました。
そして、私はとある一つのシェアハウスに決めた。白い景観、内装も綺麗で、今は7人ほどで住んでいる小さなところです。
意を決して、私は母を呼び止めました。
「わたしの大学の近くにあるシェアハウスが、"clover"ってところなの」
「うん」
「ここに、しようかなって思って」
母は優しく、そっか、と頷いてくれました。
引っ込み思案で、今までやりたいことを、面と向かって言えなかった私が決めたことを、母はささやかに応援している風でした。
私は恥ずかしがりながら、はにかみながら笑いました。可愛らしいその満面の笑顔が、母はとても嬉しいようでした。
♡♡♡
読んでいただき、ありがとうございます
初めての「小説家になろう」投稿作品です
ぜひこの先も読んでいただけたら幸いです