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万色無双の役立たず  作者: 士口 十介
学園篇
7/48

対抗戦の準備

フレデリカが入学して一ヵ月が過ぎた。

彼女は予想通り“ユニコーン”寮の住人になっていた。

カリキュラムの関係で同じ授業を受ける者同士は同じ寮に配分されやすい。

“ユニコーン”寮は緑系統の使い手が多く配分される。




俺はこの一ヵ月の間、各スキルのレベルアップに励んでいた。

その甲斐あって、すべての魔法はLv2に武術も棍棒と石弓、短剣以外はLv2に出来た。

幾つかのスキルはLv3も見えてきた。


そして特筆すべきは、EXP追加補正がLv15まで上昇したことである。

このスキルのレベルが上がったおかげでスキルのレベルアップが少しだけ楽になったのだ。

魔法や武術のスキルは習得経験値が百分の一になる為、このEXP追加補正、それも最低保証が大きかったのだ。



今日の稽古を終えて寮に変えると、パメラとフリッツが談話室で何やら話し込んでいる。

「よぉ。パメラ、フリッツ、何を話しているんだ?」

と二人に声をかける。


「ヴィン、いい所に来た。君も座って話さないか?」

フリッツはそう言うと、俺を椅子に座らせ話を続ける。


「来月から行われる寮対抗戦だが、今回は参加しようと考えている。」


寮対抗戦、各寮が五名の代表者を選出しその実力を競い合う学園内イベントだ。

競技は冒険者に因んだ、


“ダンジョン走破”


“五対五戦”


“目標探索”


の三競技で約半年かけて行われる。


「対抗戦ね。メンバーは?」

とフリッツやパメラに尋ねる。


「僕とパルミロ、ヴィン、アルフレート、カーティスの五人だ。」


「おいおい、なんで俺の名前が入っているんだ?」


確かにLv2になり、呪文や武技は多少使える物が増えた。

だがあくまで多少であって、対抗戦に選ばれるほどでは無いはずなのだ。


「ヴィン、無色系統だ。」


無色系統は他の系統に属さない特殊な呪文が多い。

“ステータス”や“鑑定アナライズ”はその最たるもので、中級になると“加速ヘイスト”や“減速スロウ”、“解呪ディスペル”が使用可能になる。


「確かに無色系統の中級が使えれば戦力になるが俺はまだ初級だぞ?」

フリッツに現状での問題点を指摘する。


「そこでよ。」

パメラが話に割って入る。

「フリッツと対抗戦の開始までに無色系統を中級にする方法を考えていたのよ。」


確かに、無色系統はフレデリカやパメラの協力もあって、もうじきLv3に上がりそうではある。

だが、そうなるのにも一月かかったのだ。

対抗戦まであと一月、今の方法ではLv5がギリギリだろう。


中級呪文、特に重要な“解呪ディスペル”はLv12からである。

(加速と減速はLv10から)

現状、間に合うはずが無かった。


「今、ヴィンがやっている無色のレベルアップの方法を10倍にすれば可能だとパメラが言うのだ。」

フリッツは気難しそうな顔でそう言う。


俺がやっているレベルアップの方法はフレデリカやパメラに鑑定を使う方法である。

鑑定はLvが低いと抵抗されやすい呪文であり、必ず成功させる(成功しないと経験値が入らない。)為には掛けられた対象が抵抗しないことが必要である。


通常、所持スキルすべてを見られるため、“鑑定”に抵抗しないのは稀である。

そして相手の許可なく“鑑定”を使うのは犯罪行為とされている。

(痴漢と同じ扱いである)


方法を10倍と言うのはフレデリカやパメラの様に“鑑定”に抵抗しない者を20人連れてくるという事だろうか?

その事をパメラに聞いてみると。


「寮生、三十人から協力の許可をもらってある。」

と、パメラは静かにそう言った。


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